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2013年4月3日

建築家が残した、お客様への恋文 ザ・プリンス箱根

滋賀県立大学,田の浦ファンクラブ滋賀サポートチームが関わっている震災復興プロジェクトlink≒100%高島産の木と高島の職人による家づくり モデルハウス開店中です(設計監理担当) よろしければ、MYブログご訪問のよしみでポチッと一つお願いしますにほんブログ村 住まいブログ 別荘・セカンドハウスへ
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「村野建築」を味わう 3月の自分が幹事の商工会研修旅行で撮りためたphotoを少々
ザ・プリンス箱根(設計―村野藤吾) 1978完成 2007リニューアル(松田平田設計)

芦ノ湖を望む客室棟外観

低く低く押えられたエントランス、この軒の長さが余計建物を低く見せている。
かっこ良く見えるのは、
RC(鉄筋コンクリート)造にも関わらず、柱と梁がきれいに分節されているから。
柱上部の影に、多分こだわりのディティールが隠されている。
そして、独立の壁柱は多分デザイン上の大きさ(太さ)
柱上部にアッパーライトが仕込まれ、梁と柱全断面がつながっていないことからそう推測される。

ロビー

低く低く押えられたエントランスから、
ふわーっと広がる吹抜のロビー、何度見ても感動します。
30年を経て、曲線の突板天井が少しシワが寄ったように見えたのがちょっと残念。

客室棟中庭

地から這い出してきたような外壁脚元のデザイン。
当然、左官工事・吹付工事によるフェイク。
しかし、このデザインを成立させているもう一つの要素は、白川砂敷きのような造園。
外壁と地面の繋ぎ目に変なラインが出来ていたり、色が不自然に変わってしまっていたら台無し。
約30年前の建築家のデザインコンセプトを、
営々と受け継いでいる造園屋さんのメンテの賜物でもある。
口伝えで伝えているのか、造園屋さんのセンスが「これしかないよな」と思うのかは分からない。
バブル時代の京都北山通りに建った高松伸さんの商業施設が、
近年、一つまた一つとなくなって、何だか寂しい気持ちになるのとは大違い。
建築の永続性には、そのデザインや建築的質の秀逸さも重要だが、
結局は、オーナーの建築へのこだわりに頼らなければならない部分が多い。

せせらぎから客室棟を望む

この自然そのものの小川。
末端の水面の底に大きな円形格子付きマンホールが見えて、
その先、すぐそばの芦ノ湖まで水が流れていない。これも、人工の造園の一つ。
「自然らしさ」にこだわる執念のようなものを見た思いでした。
水を使った造園手法は、メンテや経費のせいで、よく改変され
枯山水風にお茶を濁されたりするのをよく見かける。
ここでは、ちゃんと元々のコンセプト通り維持されている。
そして、歳月を重ねることにより新築当時よりなお「らしく」なっているような気もする。
冥土で、村野さんが「だろう」とほくそ笑んでいるかもしれない。

シャンデリア

新建築という建築関係者用(主にデザイン)の専門業界月刊誌
そこに載っていたと思われる淡い記憶が呼び起こされた。
たしか、村野氏が直々にデザインに関わられた
仮面と木馬のシャンデリア、多分新築当時のままだと思う。
このシャンデリアのある部屋はホテル内のレストラン。
入るテナントによって、インテリアが頻繁に更新されそうな飲食施設。
このシャンデリアがそのまま残っている事自体奇跡のよう。
木馬のシャンデリアが付いている飲食施設は、和で、有名ドコロの「なだ万」がテナント。
並のデザイナーなら、とっくに、和紙張りなどのデザインに変えられていそうです。

大判床タイル

タイルも味がある。黒に鉄釉、外部は、茶系が少し勝っている。
写真で撮ったのを見るとそうでもないのだが、イメージ的には、
「ねっとりした黒楽茶碗の黒のような感じ」なんて、試し焼きを見ながら
指示を出したのではないかと夢想するような感じの雰囲気である。

ロビーのタイルの雰囲気。

客室棟廊下開口部

何でT字型のこんな窓なのかはわからない。単にデザインだけだはないようにも思う(排煙用?)
開口の面の取り方も上下左右、上下の開口すべてが異なる。
窓台の下の水切面台の、雨水の注ぎ口のような形。
年月と添い寝して、窓まわりが雨水跡で少し黒くなっている
そんな外壁のイメージを想像していたのだが、2007に大規模修繕がありその時に綺麗になったよう。
私としては、もう少しシワの寄った外壁を期待していたのに。
いつかこんなのを真似してみたいと思って数十年。
未だに、こんな形を設計することは出来ていません。
最近は、機能上からペアガラスのアルミサッシの既製品を、
何の疑問もなく取り入れてしまう私とは、相当違う、形へのこだわりが・・・
住宅と高級ホテル、木造とRC造という違いはあるものの、ちょっと反省

ロビー地階廊下 さり気なく置かれているブロンズ像

砂岩の割石貼り、氏の特徴の面落ちのないザラッ取りた感じの目地
真円じゃなさそうな微妙なカーブのアーチ
真横からも見られるように、額縁になるアーチ壁は
奥のバックの壁とは離れて立っている。
少しティーパーの付いた細身の石の台とその下の床の石貼り
全てが、ブロンズ像引き立たせる床の間的しつらえ。

(小)宴会場入口  うねる手摺、散らばるダウンライト

客室バルコニー

最初に、ツインの客室に入るその開放感に驚く。天井までフルサッシのガラス開口、
そして一歩バルコニーに出ると、写真のように、壁も樋も床も手摺も曲線の連続。
ここで、また圧倒されてしまいました。
でも、別館ロビーの吹抜の油絵を見てまたびっくり。
その絵が、そのバルコニーから芦ノ湖を眺める女性二人(手摺の格子の形がそのまま)
これには、いくら巨匠村野藤吾といえど、ちょっと「手前味噌」感を抱きました。

別館ロビー

これは、村野藤吾設計ではないのだが、テイストは受けつがれている。
村野氏亡き後の村野事務所なのだろうか?
といろいろ調べてみたが設計者はわからない。
これくらいの情報、何処かに載っていてもいいような気がする。
「建築家」「設計者」というステイタス。
最近はTVドラマの中の職業で、カッコ良すぎる姿で描かれていたりして、
それも何だかなー、と思ったりするのだが、
現実は、その背負った責任ほどには名前が世に出ていないような気がする。

最後に、定番のショットなどを纏めて   地階から玄関ロビーを見上げる

玄関ロビーソファー 村野氏独特のソファ

客室棟廊下 この凸凹さ加減がなんとも

客室棟中庭

客室棟外観

館内に、こんなポスターが貼られていました。(写真が手振れでひどいのですが)

「建築家が残した、お客様への恋文」

建築後35年を経た現代建築で、このようなコピーを書かせる力がある凄さ。
そして、何だか建築家冥利に尽きる言葉でもあるような・・・

関連MYブログ

◎2007/04/05 ザ・プリンス箱根-村野藤吾
◎2007/12/06 新高輪プリンスホテル・飛天の間
◎2008/04/20 宮沢りえさんの伊右衛門のCMに違和感が
◎2010/11/04 目黒区役所(旧千代田生命ビル)-村野藤吾
◎2012/07/01 村野藤吾設計の新歌舞伎座、解体間近か?
◎2002/06/08 故村野藤吾氏の設計製図展を見に行ったときの思い出

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地域特性に造詣の深い地場の工務店や設計士を見直して頂ければと思います。地場で仕事が完結すること自体、ヒトやモノの移動エネルギーが少なくてすむ環境負荷の少ない選択であり、かつ 住宅建築は個人ができる身近でとても大きな地域振興でもあります。また、地元で長く仕事を続けられているということこそが品質をおろそかにしなかった証拠ではないでしょうか。

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