ザ・プリンス箱根-村野藤吾
高月町渡岸寺国宝十一面観音立像(MYブログ06/08/05)にコメントを頂いてたのに、
返事もなくほったらかしていたのに気づきました。
井上靖氏のことがちょこっと載っていました。
遅くなりましたが今日は、その返事も兼ねて書いてみます。
井上靖氏といって思い出されるのは「きれい寂び」という一文です。
氏と一流の芸術家の交流の中から浮かび上がる文学者の芸術観が綴られたエッセイです。
その中で、建築家村野藤吾氏との邂逅は、
井上氏の「きれい」と「わび・寂び」のつながりを解く重要な部分です。
そこで、村野作品を一つ
ザ・プリンス箱根(旧箱根プリンスホテル)は、建築家故村野藤吾氏の代表作の一つです。
YAHOOトラベルの施設写真の上から2番目、このロビーが、
新建築(建築専門雑誌)で紹介された時、
ゴシックの教会のような、
垂直に伸びる柱の線がかなりな迫力を持っている空間かと思っていました。
ところが、実際に行ってみると、確かに低く抑えられた玄関フロントから、
ロビーの吹抜の空間への変化は計算されているな、とは感じましたが、
そんなに、圧倒的な迫力という感じではなかったのです。
暗く低く抑えられたフロントから、明るく華やかなで開放的な感じではあったのですが、
「迫力」はあまり感じなかった。
二十歳後半の私は、コンクリート打放しなどで仕上られたの迫力ある空間こそが「建築」だ、
というように思いにとらわれていたきらいがありましたが、
ここで大きな空間的変化があっても全体的にはやさしく包まれているという感じ
に作ることも「建築」の一つのが手法だし、村野藤吾氏も
ホテルというリラックス・安らぎを求める場所では、その辺を計算しつくして
空間の寸法・窓の大きさ(明るさ)・仕上素材などを決定しているのだろうな。
よい「建築」にもイロイロな種類やアプローチの手法があるんだ、と思いました。
芦ノ湖から、木々に囲まれて佇む、円形の宿泊棟の外観(一休.com写真)もいい雰囲気です。
国立公園内で高さも規制されているのではないかと思いますが、
その規制が意図する所を、最も適格に表現している好例だと思います。
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