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2007年5月29日
耕して天に至る?
「耕して天に至る」記憶の中に残っていた言葉です。
出典は、中国の古典かと思っていたら、李鴻章という中国清朝の政治家。
中国の景色を詠嘆したものかと思っていたら、
「耕して天に至る。以って貧なるを知るべし。然るに我が国土広大なるも国力に劣れり」
日清戦争後、敗戦の講和交渉に来日の際、その洋上から日本の景色を観て、
自国を慨嘆しての言葉だということで二度驚き。
出典-農業土木遺産を訪ねて
これは、昨日湖西バイパスから、和邇の辺りを撮った景色です。
この景色を見て先の言葉を思い出しました。
住宅建築を営々と行った結果で、こういう景色は京阪神周辺でそこここで見受けられます。
同じ人間の営みでも段々畑や棚田の方は、自然との共存というプラスイメージですが、
山の緑を蚕食するようなこの景色の方は、人間の傲慢さの象徴のように見えてしまいます。
昔、手塚治虫のマンガで、富士山を真っ二つにして、その片方を平らにし、
都市を作るというアイロニカルな絵が、何かの場面にあったように記憶しています。
その時「こんな事バカなこと誰もしないよな。」という感じで見てたのですが、
数十年たって見たら、それとそんなに変わらない景色がそこここに出現してしまいました。
建築を生業(なりわい)としているものにとっては、何とも言いようのないさみしい景色です。
関連項目
木は山に生えていない(MYブログ07/06/01)
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