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2012年11月12日

京都 青蓮院 紅葉には少し早すぎた。

滋賀県立大学,田の浦ファンクラブ滋賀サポートチームが関わっている震災復興プロジェクトlink
≒100%高島産の木と高島の職人による家づくり>モデルハウス完成(設計監理担当)
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(2012)11/9今日は、最も高貴な所 皇室と関わり深い格式の高い門跡寺院 青蓮院へ

さすが、格式ある門跡寺院の青蓮院。お庭は、どこをどう撮っても絵になる。
もう少し後だったら、もみじがもっと綺麗だったろうな、という感じでした。

モミジの大木。解説によると、小堀遠州 霧島の庭(クリックすると画像が大きくなる)

お庭は、どこをどう撮っても絵になる。 何気ない 延段

お庭は、どこをどう撮っても絵になる。 急流から緩やかな流れ+錦鯉

私は、この井戸に石組み目を引かれました。
石の隙間からチョロチョロっと顔を出しているシダの類の緑。
荒れ果てた感じには見えない。いい、ひなびた感じで出ている。
この井戸の景色一つで、一気に「山里に庵を結ぶ」感が出ている。

除草していないのではなく、もしかしたら意図的に雰囲気のある葉っぱを植えている、
というう方が正しいのかもしれません。庭師さんのお仕事なのだろう、と思う。
和の庭園の、最も「和」らしい部分だと思う。

小御所(正式対面所?)から宸殿(正式式典場所?)をみる。
中庭のモミジ。障子がいい額縁になっている。

この明かり障子の桟は太い。三分五厘から四分(10~12mm)
数寄屋の障子の桟は二分(6mm) 民家建築だと三分(9mm) というところか?
書院障子などの細工物は一分から一分五厘というのもある。
そうなると、桟で障子紙をもたせているのか?障子紙で桟が持っているのかわからない。
そうそう、こういう建物は3本溝。
この場合4枚引違いの舞良戸の内側に1本溝に引き分け障子。
この写真で、障子紙が光って見えないのは、引き寄せた2枚の舞良戸が向こう側にあるから。
手摺のクリ型が格式の高さを感じさせる。そして、手すり子の上に
ギボシがないのが、寺院系建築ではなく、神社(天皇家)系の建築であることがわかる。

もう少し後だったら、もみじがもっと綺麗だったろうな、あと10日~2週間くらいだろうか?
宸殿(正式式典場所?)から小御所(正式対面所?)を見返す。
多分見事なモミジ。(クリックすると画像が大きくなる)

青蓮院 廊下の板戸の孔雀。
部屋一面の襖絵は、何だかあまり感動しない。
それより、廊下の片隅に書かれた、このような緻密な一点物の絵に興味をそそられる。
こういう絵を見るたび、昔、ある日本画家の方に、
「紙に書くのとは違って、板に絵の具をのせるのは難しいんです。」
と、言われたことも思い出す。(クリックすると画像が大きくなる)

さすが、格式ある門跡寺院の青蓮院
宸殿の前庭は右近の橘と左近の桜が配されていた。御所と同じである。
そしてその向うには、巨大な楠。圧倒される。

青蓮院 華頂殿 メインの座敷

紋縁のタタミ、少し太めで四分くらいの大面を取った柱が、
等間隔にきちっと並んでいる、しっかりした書院風の作り。
それにしては、書院や欄間がアンバランスな数寄屋風。
書院障子が疎らな縦組み、そしてその上の書院欄間障子がもっとそっけない横組み。
この格なら、書院障子は縦繁(タテシゲ)、書院欄間障子は何かデザインされた組子、
くらいが雰囲気に合う。
間仕切り上の欄間も、北斎の浮世絵に影響を受けたようなグラフィカルな波。
もう少し、クラシカルな方が、この座敷には合うような気がする。
筬欄間(オサランマ)に多少綺麗な透かしの彫り物が散りばめられたもの
くらいが納まりがいいような気がする。

青蓮院 華頂殿 脇座敷 三の間 

華頂殿は、普段生活する場所の中で最も格が高そうな所。
庭の眺めも、主たる部分が一望できる場所にメインの座敷が配されている。
そのサブの部分の部屋。
文化財的にもそう重要ではないのか、と思われる。ので、新しい襖絵も描けるのだろう。
そんな小さな座敷の襖絵に感動しました。
モダンデザインですよね。(クリックすると画像が大きくなる)

青蓮院 茶室 好文亭 玄関周り

樋のかかっている所が玄関。
建物が雁行していて、リズミカルな様子がわかる。
縁側の外側は、一筋鴨居で雨戸のみ。出隅の柱が、きりりと引き締まって見える。
雨落は、玉石敷き。
外側が白御影の切石、内側が雁振瓦小端立て(ガンブリガワラ コバダテ)
その中はタタキのようである。(クリックすると画像が大きくなる)

青蓮院 茶室 好文亭 控えの間

花頭窓や手摺の欄干、ここでは戸棚の戸板。
似たようなデザインが何度も繰り返される。
青蓮院だから、蓮の花?今、文章を書き始めて始めて気づいた。

青蓮院 茶室 好文亭 水屋

茶室の作法のことは知らない。
竹の簀の下に銅板製の流しがある。
側面は、杉の中杢板巾二尺位の立派なもの。
その杉の側板に竹釘が何箇所か配置され、
それぞれに、茶杓・茶巾・茶筅、などを掛ける場所が決まっているらしい。
正面に窓とタナ(杉の柾板)
もう一つ側面にも手元照らしの掛け障子。多分外側は下地窓。
床は、ラオス松だと思う。道具入れの床下収納が見える。
水道のカランが仙徳(セントク)と呼ばれる色で、茶室はほとんどこの形。
現代ならシステムキッチン、というところだが
見える部分は、カラン以外は全て木と竹と土。
カッコイイな、と思ってしまうのである。

青蓮院 茶室 好文亭 メインの茶室四畳半

建物のコーナーに配されたメインの茶室は、
そのコーナー部分が両方共4枚建ての、
凛とした感じの縦枡組み吹寄桟の障子、
これで貼付け襖の腰板部分が倍ぐらいなら、まるで書院造の障子。
普通茶室と呼ばれる草庵ふうのものならもっと壁を多くしている。
その点からも、この明るい茶室は華やか。
建具がきりりとしてきれいに思ったので、パチリ。
床に敷かれている紺の毛氈は、観光客用。
どこに座ったら良いかがわかるようにしているものか?
また、粗相をしてもタタミがいたまないようにしてあるもの?

青蓮院 茶室 好文亭 四畳半のメインの茶室。
ここで、正式なお点前でお茶を頂きました。
火災にあい、忠実に以前の形を復元した茶室建築だそうです。
茶室としては、華やかで格式高く作ってあります。
襖絵は、上村淳之氏(上村松園のお孫さん)とのこと。(クリックすると画像が大きくなる)

◎四畳半茶室
・床 タタミ敷(黒タタミ縁)
・壁 じゅらく
・天井 杉杢 竿縁天井 竿縁断面が正方形に近い
・建具 腰付き紙貼障子
    腰 内側ふすま紙黒漆縁止め 外側杉柾板吹き寄せ桟
    障子 吹寄桟組み(縦長)
・柱 北山丸太面皮(面皮部分がおおきい)
・長押も 北山丸太面皮(面皮部分がおおきい)
・造作材 は多分ほとんど赤杉
・欄間 黒塗り縁の変形襖?

◎床周り
床柱が、北山の絞り丸太それも鴨居上が少し曲がっているような・・・
落掛が、写真で見ると桜の皮付きか?(正座に座ったので見るのを忘れた)
床框が、ケヤキの角物
床板は、同じ黒縁のタタミ
床脇にも框が入っていて一段上がっている。

柱と長押と壁の色、そして、床柱と落掛で、茶室を演出しているが、
建具の構成、天井の仕上げ、絵入りの襖や違い棚の壁。
新しいせいもありますが、茶室にしては華麗すぎる。
でも、それぞれに品があるので、OKという感じでした。

玄関側は軒先まで瓦だが、縁側は、軒先杮葺き(コケラブキ)
庇と本屋に段差がなく、一枚のむくり屋根で葺き上がっている。
見た感じ、瓦の大きさが小さいような気がする。
建物の雰囲気に合わせて特注の大きさなのだろうか?
縁側の小壁には、櫛形の下地窓。
奥の障子は片引になっていて壁の部分に納まる仕掛け。
よく見ると、その雨戸鴨居が3.5間くらい1本物の杉材。(クリックすると画像が大きくなる)

一緒に歩いた昔の設計事務所仲間同士の会話。
「これ、1本物やな、縁桁は当然やけど、この鴨居まで、
こんなん、銘木屋でも在庫するようなもんであらへんし、
山から切り出すところから、始めなアカン。」
(普通運搬の効率性を考えて、山で4mor6mに切って出荷してしまうので、
鴨居1本でも、このような上質の杉材のある山で注文して
切り倒すことから物事をはじめなければならない)
「まー、こんな建物最近は図面書いたことないけど、何か、懐かしいな。」
縁側の床は、ラオス松柾の縁甲板。
杉のヘギ板・杉の小舞に化粧垂木の天井でした。
軒先が微妙に分厚いのは、化粧と野の屋根の勾配の差を
そこでうまく吸収しているから。
とりあえず、ここまで高級ではないにしても、
それに似たような図面を書いていた頃のことに話の花が咲きました。

青蓮院は、その境内で、
御所宮廷建築様式(宸殿)
青不動堂(寺院建築様式)
小御所(古風な書院建築)
華頂殿(時代の下った書院建築)
好文亭(数寄屋・茶室建築)
と、日本建築の主な様式がほとんどある、ということで
(寺院建築様式はちょっと典型例とはいえない)
中々、建築を勉強している人には面白い、という気がしました。
お庭は、門外漢ですがとてもいいかんじでした。
また、何年かしたら、心の洗濯に行きたいような、建物群とお庭でした。

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地域特性に造詣の深い地場の工務店や設計士を見直して頂ければと思います。地場で仕事が完結すること自体、ヒトやモノの移動エネルギーが少なくてすむ環境負荷の少ない選択であり、かつ 住宅建築は個人ができる身近でとても大きな地域振興でもあります。また、地元で長く仕事を続けられているということこそが品質をおろそかにしなかった証拠ではないでしょうか。

☆☆ とりあえず、ハウスメーカーを選択肢から外して、家作りを考えてみませんか ☆☆
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