雪下ろしをしながら、垂木の軒先構造を考える
雪下ろしをしながら、ぼんやりと思ったことなどを。
片持ち梁の垂木の軒先って、なぜこんなに丈夫なんだろうかと。
父が、「1間に6本割り、寸八(スンパチ1寸8分)のところを2寸の垂木にしといたさかい。」
などと胸を張ってお客さんにしゃべっていた。設計用語に直すと60×60@1910/6、
実際には2寸は挽き立て寸法なので57×57@1910/6というところか。
積雪量が昨日今日当たりだとMAX120cm
積雪深さ×雪単位重量×長期用係数+屋根自重
荷重は、 120×30×0.7+1750=4270N/㎡
モーメントは、wL2/2=3520×(1.91/6)×0.75×0.75/ 2 =382.3Nm
米松でfb=1034 N/c㎡
断面係数がZ=bh2/6=25.7×5.7×5.7/6=30.87
許容応力度はM/Zfb=38230/(30.87×1034)=1.20>1.0 OUT
田舎でも、ちょっと太めで間隔も細かい部類の在来工法の垂木でも
120cmの積雪でダメという結果になってしまう。
数字の桁とか考え方間違っていないように思うのだが・・・
この辺の設計積雪量だと、150cm、175cmの地域もある。
ところが、実際はもっと細い垂木、間隔の荒い垂木でも、材種も杉 というようなものでも
それほどバタバタと軒先が折れたということは聞かない。
実際に雪下ろしした小屋の垂木を計ってみると 48×48@390 軒の出600 材種杉
同じように計算してみると
モーメントは、wL2/2=3520×0.39×0.6×0.6/ 2 =299.8Nm
杉でfb=946 Ncm
断面係数がZ=bh2/6=4.8×4.8×4.8/6=18.43
許容応力度はM/Zfb=29980/(18.43×946)=1.72>1.0 かなりひどいOUT
どうしてなのだろう?
スコップを掻きながら、「そうだ」雪をさわるのにも力が要る。
雪は、単に荷重として載っているだけでなく、
それなりに、屋根の上で固体として形態を保っている。
多少のせん断力や曲げモーメントも負担していることになるのだろう。
そのため、数字では、危ない状況でも壊れないのではないか。
そのあたり、実際に雪国で数字の確かな金属の棒の垂木で軒先を作り、雪を積もらせてみて変位を計測すれば、
そのあたりの雪の性質がわかり
もう少し、実情に合う軒先の垂木の計算が出来るように思う。
その、雪下ろしをした小屋の棟からの眺め。一休みしながら南を望む
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