台風一過、杉の雨戸
台風4号は、こちらではほとんど影響がありませんでした。
とはいえ、一昨日は数年ぶりに台風に備え雨戸を閉めることにしました。
戸袋の中に収納された雨戸は、外部に露出している雨戸の戸袋板とは異なり、
新築して30数年は建ちますが、新品のようにきれいな白木の杉板のままです。
雨戸を閉めた真っ暗な室内にその杉のほんのりとした香りが漂いました。
やっぱり、和風の住宅もいいナー、と思ってしまいました。
常日頃、新築住宅の計画でお客様とは、断熱材が気密性がなどと、
ハウスメーカーの宣伝文句や住宅雑誌の情報に対応して、
在来工法でもいくらでもそのようにすることは出来るなどと説明し、
また、そのように作っています。
しかし、自分の家はいまだに、雨戸を繰り出してしまえば、
戸袋繰り出し用の開口からの向こうは杉板一枚、
その戸袋板のスキマから室内に光が漏れるような、
気密や断熱とは程遠い日本の旧来からの民家のつくりです。
建て替えの打合せで、お伺いしたお宅の、
障子やフスマが全て葭戸に取り替えられている夏向きの座敷に案内されたとき、
何だか壊すのがもったいないなー、と思ったこともあります。
修行時代、
和風の住宅は、季節やその時々合わせ、しつらえを変えたり、備えを施したり、
手間をかけなければならない。そして、その手間をかけること自体を楽しむのだ、
などと教えられた時代は遠い過去のようです。
アルミサッシの普及により写真のような戸袋を作ることも最近はほとんどなくなりました。
40歳以下の大工さんはそのような仕事をしたことがないと思います。
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