神社の拝殿が建築できない?
昨日、半日お宮さんにいて拝殿の周りで仕事をしてました。
「こんな建物確認下ろすのむつかしいな~。」とぼんやり思ってしまいました。
建設省告示(以下告示)1347号 ・・・べた基礎又は布基礎としなければならない。・・・
束石に立ってるだけだし、コンクリートの基礎ないなー。
建築基準法施工令(以下令)第46条第1項 ・・・水平力に対して安全であるように・・・壁を設け又は
筋違を入れた軸組みをつりあいよく配置し負ければならない。・・・
拝殿に、壁や筋違入れられないよなー。
令46条第2項 前項の規定は・・・適用しない(第1号ハ 国土交通省が定める基準に従った
構造計算によって、構造耐力上安全であることが確かめられた構造であること。)
筋違なくすには、構造計算するしかないのか。
令46条第4項 ・・・延べ面積が50㎡を超える木造の建築物においては、・・・軸組みを、
・・・国土交通省が定める基準に従って設置しなければならない。
50㎡以下は、軸組み計算はしなくていいんだ。
令47条 ・・・継手や仕口は、ボルト締め、かすがい打、込み栓その他の国土交通省が
定める構造方法によりその部分の存在応力を伝えるように緊結しなければいけない。
金物だらけになりそう。
令40条 ・・・延べ床面積が10㎡以内の・・・建築物については、適用しない。
拝殿は3間四方33㎡位、どうしても基準法の規定は適用されるなー。
結論1.構造計算してちゃんと作る。
この場合、木造の限界耐力設計法というかなり特殊な計算方法しかない。
この方法は、どの構造計算屋さんでできるという種類の仕事ではない。
RCの基礎も必要。仕口・継手についても検討必要。役所の完了検査は受けることが出来る。
設計・工事共かなり費用が上がりそう。
結論2.とりあえず、筋違を入れた図面で、確認を通してしまう。
後は、それぐらいの規模なら、大工さんを信じて、従来の工法で作ってもらう。
役所の完了検査は受けられない。
結論3.限界耐力設計法をしましたと言って、筋違なしの図面で、確認を通してしまう(この規模なら
計算書の添付は不要)。以下、結論2に同じ。
結論4.布基礎にして、筋違を入れる。っていう方法を忘れてました。
でも完成後、多方面から、何でこんなことになってしまったの?と言われそう。
役所の完了検査は受けることが出来る。
阪神の震災以降、木造の建物の規定は厳しくなりました。
普通の住宅ならいいのですが、神社の拝殿や昔からの民家を同じように建てようとすると、
様々な法的な高いハードルが出来てしまいました。
「前やったら、出来たのに」
「昔と同じように作って、なんであかんの?。現に、長持ちしてるやん。」
という、大工さんや施主さんと法律とのハザマで、悩んでしまう所です。
ブログランキング、ポチッと一つお願いします。
ほんだ建築トップページへはこちらから