水族館が面白い
建築関係で暗い話題が多いので人々を楽しませた建築の技術・材料の発展などを一つ。
もう、10年くらいは続いているだろうか。海遊館(1990)あたりから認知された、
水族館建設ラッシュとそのブームがある。
昔、水族館って言うと、小さいガラスの水槽か、ガラスの穴からのぞき見る感じで、
エンターテイメントとして、面白くなかった。
それが、アクリルの極厚板とその溶接技術の確立により、
水中にいると錯覚を覚えるくらいの、大きなトウメイの面が構成できるようになって、
見せる施設に作り上げることができるようになった。
四国徳島の企業、日プラ(株)は水槽用大型アクリルパネルの製造・施工会社で、
同社製品は国内のほとんどの水族館のほか、世界約40カ国でも使用されている。
特に「沖縄美ら海水族館」のアクリル製パネルのサイズは
高さ8.2メートル,幅22メートル,厚さ60.3センチ.「世界最大のアクリルパネル」
「世界最大の水族館の窓」としてギネスブックに認定されている。
その技術で2005年には「第1回ものづくり日本大賞」内閣総理大臣賞を受賞している。
(毎日新聞2005.8.10より抜粋)
田舎の中堅企業の新しい技術が、建物の計画を根本から再考させ、
新たなエンターテイメントを創出した好例です。
(プランナーの困難な要望に答え続けたという側面もあるかと思いますが)
今度、水族館へ行かれたら、約4m以下位の間隔で、
少し像が歪む縦線があるのを見付けて下さい。それが、アクリルの溶接跡です。
建築にはどうしても運搬が付き物。いくらアクリルの大板といえども、
運搬できる大きさに分割して搬入しなければなりません。
そこに、建築生産というものの一端を垣間見て頂ければと思います。
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