忙しい中、南無阿弥陀仏の掛け軸を眺める
今年の11月は何だか忙しい。日曜日毎に用事がある。
義理の姪の結婚式が横浜、京都で一泊二日の自立循環住宅研修会、父の七回忌、
最終週は姪の結婚式が福岡。何だか出費も多そうで、嫁さんも大変そう。
そんな中、亡父の法事のしつらえに、床の間に軸を掛け替えた。
父が買った「南無阿弥陀仏」の掛け軸である。
私も好きなその掛け軸と金糸の入った表装を眺めていると、
谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」の一節を思い出した。
記憶の中にあったその一節を探して引用してみましたので、
谷口文学の修辞と和風の情感とを感じとって頂ければと思います。
・・・・・・諸君はまたそう云う大きな建物の、奥の奥の部屋へ行くと、
もう全く外の光が届かなくなった暗がりの中にある金襖や金屏風が、
幾間を隔てた遠い遠い庭の明かりの穂先を捉えて、
ぽうっと夢のように照り返しているのを見たことはないか。
その照り返しは、夕暮れの地平線のように、
あたりの闇へ実に弱々しい金色の光を投げかけているのであるが、
私は黄金というものがあれほど沈痛な美しさを見せる時はないと思う。
そして、その前を通り過ぎながら幾度も振り返って見直すことがあるが、
正面から側面の方へ歩を移すに随って、金地の紙の表面がゆっくりと大きく底光する。
決してちらちらと忙しく瞬きせず巨人が顔色を変えるように、きらり、と、長い間を置いて光る。
時とすると、たった今まで眠ったような鈍い反射をしていた梨地の金が、
側面へ廻ると、燃え上がるように耀いているのを発見して、
こんなに暗い所でどうしてこれだけの光を集めることが出来たのかと、不思議に思う。・・・・・・
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