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2008年7月13日

味わいのある旧家の座敷

昨夜、近所の大おばあさんが96歳の大往生ということで、お通夜におまいりした。
近所とはいえ、旧家の主座敷(おもざしき)、こんなときでないと見ることもない。
大正から戦前までくらいの間に建てられたと聞いている。
玄関脇のガラスの開き扉に「電話室」と書かれている小部屋が当時のママ残っている。
中央に1.5間の間、座敷側が2間、反対側が1.5間か2間、合計梁間が5間か5.5間、
桁行は部屋が4つ位並んでいたので、8間はある大きな建物。
お年寄りが多い中、あまり前に行きたくなかったので、座敷の奥の縁側にぺたんと座った。
床が、松の柾(まさ)の縁甲板(えんこういた)、巾が四寸位、二分位の大きな面取りがしてある。
敷居は巾が五寸位で大きい、多分通柱に寸法を合わせているのだろう。
広葉樹特有の導管があるが樹種はわからない。
通り柱に敷居の寸法を合わせることによって、畳の角に変な欠き込みがなくなる。
きれいな納まりの大工仕事をしていることが、これを見ただけでもわかる。
縁側の天井は、化粧タルキ野地板に紅柄(べにがら)塗り。
奥の扉が、黒の漆塗りの框戸(かまちど)。一尺巾の杉の中杢のきれいな板が3枚嵌っている。
座敷の天井は、八寸巾位の柾板の竿縁天井。
かなり焼けているのに加えて、あまりに均質すぎて樹種ははっきりしない。
定番は杉だが、そうと言い切れる自信がない。
竿縁(さおぶち)が少し太い。
見付が一寸三・四分、下から見て面取りされているのがはっきりわかるので面は一分五厘か二分。
少し五平(ごひら)になっているのかもしれない。
古いが全くすすけていないのは、いろりなどを常時使う生活スペースは別にあって、
この座敷のある建物が、
前の部分は商店、奥の部分はゲストルームの機能だけを受け持つ建物だったからだろう。
建具は全て外され、床の間やランマは、白い布で覆われていてわからなかったが、
天井だけでも、旧家の格式がわかるようなかっちりとした気品のある仕様だ。

などと、読経が流れる中、古くても気品がある建物っていいなー、と鑑賞してしまいました。

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地域特性に造詣の深い地場の工務店や設計士を見直して頂ければと思います。
地場で仕事が完結する事は、ヒトやモノの移動が少ない環境負荷を軽減する選択であり、
かつ、住宅建築は個人ができる、大きくて身近な地域振興でもあります。

ハウスメーカーの建物。数億円の豪邸も建売住宅も同じようなサッシや外壁って何だか
変じゃありませんか。
とりあえずそこを選択肢から外して、家作りを考えてみませんか。

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