海津・西浜・知内が重要文化的景観に選定
昨年11月、「高島市海津・西浜・知内の水辺景観」は、
文化庁から重要文化的景観の選定を受けました。
2006に「近江八幡の水郷」が第1号の指定を受けて以来、県内では2件目。
全国で計7件になったそうです。
文化庁の説明によると、文化的景観とは、
日々の生活に根ざした身近な景観であるため、日頃その価値にはなかなか気付きにくいものです。
文化的景観を保護する制度を設けることによって、
その文化的な価値を正しく評価し、地域で護り、次世代へと継承していくことができるのです。
写真の手前の二つは、橋板(琵琶湖で洗濯や野菜の下洗いをする作業台)、
後ろに延々と続く石垣は、現在のように瀬田川洗堰などという便利な水位調整機構がなかった江戸期、
湖上交通が栄えていた港町海津に、護岸堤として造られたものです。
この他にも、イケ(共同の井戸と池)、知内川のヤナ(遡上する魚を漁獲するための装置)など、
多様な水文化が生活に根ざした景観としてまとまって残っていると認められた結果だそうです。
ただ、これらが上下水道の完備された今の生活の中で生かされているかというと、そうとは言い切れません。
川の護岸にシートパイルを打たれ、魚を追い込む壷はRC造、ヤナの簾は合成樹脂製、の今のヤナは、
昔の、蛇籠に石を詰めた護岸、大きな網の壷、丸竹を編んだ簾を覚えている私としては、
それが何で文化的景観なのか何だか腑に落ちません。
しかし、その漁が現在も営々と続いている、
ということが生活に根ざした景観として選定された要素であるとの事でした。
途絶えつつある生活に根ざす景観を、どう次代へ継承していくかが、
今後、住民としての私達に課せられた課題であるようです。
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