和モダンの家
オーナーの仕事の経験を活かした、プロ並みの設計計画。
某大手機械メーカーの設計畑を勤め上げたAさん。
「このような建物を作りたい。」 と言って書かれた図面はプロの製図の線でした。こだわりは強く、目標は明確。
間取りは、ほぼお客様の図面のまま。断面計画は、柱や梁の寸法をこちらで調整して進みました。
内外装にこだわり抜いた男性的なシンメトリーデザイン。
・無垢の木の家にしたい。
・柱・梁が見える真壁構造のインテリアにしたい。
そう希望があると、金物などが表に出てくる最近主流のプレカット工法ではなく、大工さんの手刻みで作りましょう、と提案。
・内装は、珪藻土と無垢の板(最終的に杉となった)で仕上げたい。
男の、こだわり満載の建物という感じです。
住宅の打合せには、奥さんの加入が不可欠なのですが、今回はほとんどお隣でニコニコ笑われているだけでした。
そんな、男のこだわりが、明確に形に現れているのが、建前の時の写真だと思っています。
ほぼ完全にシンメトリーな木構造の姿です。
火打ち梁は、従来の木構造でもボルトが見えてしまうのですが、少し特殊な金物を用いて、ボルトが表に出ないようにしました。
仕上がりを見ると左の写真のように火打ち梁にボルトの跡が見えない。右の写真は、伝統的な栓打ち工法の通し柱と梁の仕口。普通は、下の写真のような仕様になります。
暖炉と大きな三角窓のある開放的なリビング。
リビングは、真ん中の通り柱だけ杉の磨き丸太にしました。暖炉と大きな三角窓、 これもAさんが、色々と調べて、こんな感じと提示されたのを、そのまま形にしました。
ペアガラスですが、アルミサッシでは納まりが悪いので、木の押し縁で納めました。
また、2Fの天窓からは、直射日光が入らない北面に、こんな雑木林の姿が見えます。
デッキとのテラス戸の内側に内障子 全て引き込みにして、ガラス窓が全部見えるようにしました。
無垢の木をふんだんに使い、ぬくもりが感じられる空間に。
洗面カウンターも杉の厚板を使用しました。
浴室のハーフユニットの上の壁・天井の内装には、水に強い樹種のサワラとしました。
1Fの天井と2Fの杉の床板裏には、杉の30mmの本実板を使用しました。
趣味の一環ではじめたマキ割り。
ライフスタイルを映すセカンドハウス。
この写真を見るとA夫妻とはじめて一緒に敷地に訪れた時のことを思い出します。 雑木林の中の広い敷地の一角が
ポッカリと伐採済みで、きれいに切り揃えられた薪の山になっていました。
「私が全部伐採してマキにしたんです。趣味みたいなものです。最初は時間がかかりましたが、段々なれました。」
最初はそうおっしゃってたAさん。 完成した今では、灯油も使えるようにしているお風呂も、外焚き循環のマキボイラーでまかなってるそうです。
- 所在:
- 高島市今津町
- 敷地面積:
- 938.78㎡
- 延床面積:
- 98.95㎡
- 構造階数:
- 木造2F(2F部分ロフト)
- 設計期間:
- 2008/04~2008/07
- 施工期間:
- 2008/07~2009/01
施主様:Aさんご夫妻
京都近郊にお住まいのAさんご夫妻。リタイヤを目前に、ご主人が趣味であるアウトドアライフの拠点を構える目的として建築されたようです。別荘建築にとても熱心だったご主人は、最初のプランから細部まで、ハッキリとしたイメージを持たれていました。別荘に来られる時はいつも一緒に来られる、仲の良いご夫婦です。