風景を切り取る家

経験による設計で、コストとデザインを両立。
コストを抑えるための私の定番は外装は焼杉板張り。中本造林の普及品の焼杉板です。
今回は塗装ブラックを縦張りに、浮造塗装1号(オレンジ色)を横張りにして、ローコストな仕上材ではありますが、ちょっとグラフィカルな処理を試みました。焼杉を普通に使ってしまうと、田舎の家っぽくなってしまいます。
今回は少しきりっとした感じを出すために、屋根をガルバリウム鋼板(月星)のシルバー、アルミサッシをYKKAPのステンカラー色としました。
外装
傾斜を利用し、ツリーハウスのような浮遊感を実現。
目の前に広がる緑とのつながりを演出するリビング。
M様御夫妻のセカンドハウスは、山の中腹の谷川沿いに立地しています。谷川へは相当な急傾斜でした。
そこで、LDKから1Fのベランダ越しに谷川に生える木々の緑が見えるようにしました。
木の生えている地面は相当低い位置にあります。 図面でもわかるように、ベランダからは、林を空中から眺める感じで、ツリーハウスのような浮遊感があり、木々の旺盛な緑が感じられます。
そのようなベランダなので、正面の手摺下は、木の格子やラチスなどは視線の邪魔になるので防犯ガラスにして、安全と視界を両方満足するようにしました。屋根付きのベランダにして、屋根素材はポリカーボネート樹脂、私の定番の仕様です。
デッキと一体のリビング、景色を満喫できるようにコーナーに大きな窓手前に見える昔でいう大黒柱は、桧の丸太をそのまま使いました。
図面
ベランダからの景色
デッキ
リビング
眺望へのこだわりが落とし込まれた設計。
リビングを反対方向に見ると、ストーブバックのレンガ壁が、玄関からの目隠しになっています。
玄関のドアのステンドグラスやキッチンののタイルは、奥さんがアンティークショップでもとめられた物を組み込みました。
また部屋の窓は、緑が見えるように眺望にこだわり、窓も大きく取りました。
暖炉
リビング
リビング
奥さまのご要望のステンドグラス
奥さまこだわりのキッチンタイル
ユニットバス
2階寝室/パイン系の素材で統一
- 所在:
- 高島市拝戸
- 敷地面積:
- 354㎡
- 延床面積:
- 71.30㎡
- 構造階数:
- 木造2F
- 設計期間:
- 2007/10~2008/01
- 施工期間:
- 2007/05~2007/09
施主様:Mさんご夫妻
大津の住宅地にお住まいのMさんご夫妻。自宅はゆとりある敷地だと思っておられましたが、町並みが出来てしまうと、よくある住宅地だと感じられていました。高島なら奥さまの趣味の園芸をするのに十分な土地があり、自宅から時間もそうかからないため、もう一つ拠点を作ろう!ということになったそうです。
