雑木林に建つログハウス

丸太組を施した本格ログハウスの野趣あふれる外観。
Kさんは、「雑木林に囲まれて、ログハウスを建てるんだ。」ということが最初から決まってました。
日の字型ログ材を組むシンプルなプランは、意外と簡単に決まりました。
ログハウスらしい雰囲気ということで、基礎も90cmの立上りを作りました。玄関だけ小さな小屋根を付けました。
これはマシンカットのログハウス。素材はイエローシーダー。
外側だけ樹皮がそのまま出ている、3面カットの部材を使用しています。
ですから、外観は丸太組の風情が残っています。サッシや玄関ドアも木製の輸入品、中々がっちりした作りです。
外観
和とのバランスが生み出す、居心地のよい空間。
LDKは吹き抜けにし、広い空間を演出するリビングにしました。
和室と掘りごたつというログハウスには珍しいご要望。また、和室のテラス戸内側には摺り上げの雪見障子、外側は、濡れ縁をイメージして手摺を付けないことにしました。殆どが板とログで出来ている室内です。
しかし、床の間のようなスペースをとったり、畳を入れたりすると、「和」の雰囲気たっぷりの調和のとれた素敵な空間になりました。
洗面カウンターは桧の集成材に。信楽風の陶器ボールや木のブラインドはTさんのご希望で、ご自分でお選びになったこだわりの商品を取り付けました。
LDKに備え付けられているキッチンと玄関扉は、耐腐朽性の高い輸入品を取り付けました。
寝室になっているロフトは、プライバシーを守りながら採光・通風が確保することができます。
リビング
リビング
和室
寝室
キッチン
洗面台
ログハウスの持つ、 他に代えがたい内外装の魅力とは。
ログハウスは、何年か前に流行り、今でも根強い人気があります。私も数軒手がけたことがあります。
一本一本自然の木を重ねて作る厚みのある外壁は、断面形状・パッキンやシーリング等、種々の防水手法を用います。しかし、所詮は重ねてあるだけ。木の伸縮やねじれ等の形態の変化が起きてしまうと、小さなスキマが外と通じてしまいます。特にコーナーの十字に組み上がったところに、暴風雨が吹き付けると、必ずと言っていいほど、外壁からの雨漏れがあります。何度かのメンテナンスや補修で落ち着くことがほとんどですが、何故か雨水の侵入口がいつまでたってもわからないことも。
それでも、リスクを理解した上でも、ログハウスは人気があります。趣きある雰囲気と、室内に漂う木の香りなど、他に変えがたい魅力があるからかもしれません。
私はこれからも、そんなログハウス好きの方のために、リスクを最低限に抑えたログハウスをご提案し続けようと思っています。
外壁
- 所在:
- 高島市マキノ町牧野
- 敷地面積:
- 453㎡
- 延床面積:
- 74㎡
- 構造階数:
- 木造2F
- 設計期間:
- 2002/10~2003/03
- 施工期間:
- 2003/03~2003/07
施主様:Sさんご夫婦
大阪近郊にお住まいのSさんご夫妻。雑木林の中のログハウスというロケーションが、「仕事から開放されるひとときの休息」にぴったりだったようです。お母さま やお子さん、お孫さん、4世代でご利用されています。デッキの再塗装などのこまめなメンテナンス作業も楽しまれています。
