平屋のセカンドハウス

琵琶湖の景色を望む大きな窓を設けた家。
Tさんご夫妻と、別荘建築用地で打合せをしました。
「こちら側に、大きな窓がある部屋がほしいんです」と、奥さま。
「えっ、北側ですよ」と、私。
「せせこましい町中に住んでるでしょ。だから、ココへ来てこんな景色をぼーっと見てたいんですよ。」
それは、隣の畑越しに、琵琶湖の湖面が少し見える景色でした。(眺望1)
琵琶湖の眺望が、おおまかなプランニングの基本となり、メインのLDKと寝室の二室共、この景色を見ることが出来る北側に大きなテラス戸、道路のある南側に、玄関・洗面所・LDKの内のキッチンスペースが並ぶこととなりました。
右下の写真は、最近主流のベタ基礎施工時の配筋状況。両隣は、分譲地が並んでいるのですが、北側にはのどかな田園風景越しに、福井県境の山並みや、琵琶湖が見える景色が広がっています。(眺望2)
眺望1
眺望2
開放感に満ちたポリカーボネート仕様の屋根付きウッドデッキ。
その景色を見ることが出来る屋根付きデッキは、広くスペースを取った形となりました。
ウッドデッキは、屋根付き、窓が暗くならないように屋根材はポリカーボネートの樹脂板。ここ二十年くらい、別荘建築に関わらせて頂いていますが、屋根のないウッドデッキは、オーナー様がペンキの塗り足し等のお手入れをされていても、年数が経ちますと、7,8年で使用に耐えない感じの腐りが出てきてしまいます。ですから、最近はそのことをお客様に説明して屋根付きにしていただくことをおすすめしています。
奥さまのご親戚は、奈良の材木屋さんでした。そこで、銘木みたいな材料を新築祝いも兼ねて格安で出すとのお話。設計段階で、部材をこちらで選定し、使用することとなりました。白く、防腐着色塗装を施されたテラスの独立柱も、和風の門などによく用いられる杉の磨き丸太です。
ウッドデッキ
ご親戚とのコラボレーションにより、格調高い建築に。
小屋裏空間の利用し、天井の高い開放的なリビングに。妻面に丸窓を設置し、デザインアクセントにいたしました。
これは、一緒に設計している所員のアイデア。良いワンポイントになったと思ってます。
LDKの中央の太い杉の磨き丸太、玄関への開口の両側の絞り丸太、床や天井の杉板も、奈良の材木屋さんからのものです。
妻面の丸窓
小屋裏空間を見せた開放的なリビング
誰しもが一度は憧れる、火を楽しむ暖炉。
暖炉周りのクローズアップ。やっぱり、セカンドハウスに暖炉を設置したいと伺うことは多いです。こういう意外と小さな暖炉一つで、この建物ならまるごと暖房できます。ただ、立上りに時間がかかったり、薪の調達が大変だったり。「火を楽しむ」という心構えが必要だと思います。床の納まりは、私の定番のタイルとフラット仕上げに。つまずくこともなく、部屋も広く使えます。玄関への開口の両側の絞り丸太の向こうに見える玄関収納も、大工さんに作ってもらいました。
LDK
暖炉
シンプル&コンパクト設計により、ローコストな隠れ家を実現。
寝室は、「光が入らないように」とのご要望。和の雰囲気を壊さないように、内障子とアルミサッシの間に、たくし上げの遮光カーテンを仕込みました。 この建物は、「階段のある2階はいらない」とお伺いしていて、ご夫妻だけの隠れ家のような建物。 そして、コンパクトに作ることでコストを抑えるのが、設計の主題でした。
お隣の畑の木ですが、このページを編集する時、梅が咲いてました。塀もなく、数年過ごすうちに、借景にしているお隣の畑の方とも交流が出来たとのことでした。
LDKからつながる寝室
寝室
内障子とアルミサッシの間に、遮光カーテン
お隣の畑の木
外観
- 所在:
- 高島市今津町
- 敷地面積:
- 365 ㎡
- 延床面積:
- 67.89 ㎡
- 構造階数:
- 木造平屋建
- 設計期間:
- 2010/12~2011/3
- 施工期間:
- 2010/12~2011/3
施主様:Tさんご夫妻
京都近郊にお住まいのTさんご夫妻。定年を前に、田舎での週末生活を考えておられました。街中とは違う広がりのあるマキノの景色は、ご夫妻の生まれ育った場所での穏やかな暮らしをイメージされていたようです。お庭には、年々野菜や庭木が増えてきています。
