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こだわりのお家のこだわりの改修

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こだわりのお家のこだわりの改修

比良山のふもとの大きな屋根


東に比良山、西の眼下には琵琶湖と自然がすぐそばの立地。
築30年経ち、外壁や屋根が傷んできたこと、年々断熱性能が悪くなってきたご自宅の改善というのがご依頼でした。
電気工事関係に従事されていたこともありますが、建物にお詳しい旦那さまが描いた図面通りにほぼ建てられた、こだわりのお家。
建てられてからもちょっとした補修の他にも、可動する屋内物干、広いウッドデッキ、工房や薪小屋を建てられたり、建物内外に自ら手を加えられてきました。
現況は外壁のベイマツt15は痩せて隙間が多く見られ、断熱材のグラスウールも劣化し痩せた状態。
屋根のカラーベストは塗料の剥離が見られ、かなり劣化が進んでおり、雨樋に破損が多く見られるという状況。

お住いになった状態での改修ということで、基本的に外からのみの工事を考えました。
そこで提案しましたのが、
・外壁のベイマツとグラスウールは全て撤去し、外から硬質ウレタンフォーム断熱材を吹付ける
・既存屋根の上にスタイロフォームを敷き、新しくガルバリウム鋼板の屋根を葺く
・床下から断熱材の隙間等に断熱材を注入する
・樹脂内窓の取付けや、既存サッシを高性能サッシへ取替える
という工事でした。


 改修案概要

上記をすべて工事するということになりまして、9月から工事を始めました。


 改修前 南側
 
 改修前 北東側


外壁の工事

まずは外壁とグラスウールの解体撤去を進めました。

 外壁撤去中 破風、鼻隠、軒天も同時に撤去しました。


 防水紙の様子 外壁の隙間から風雨や日光が当たり、破れたり粉々になっている部分があります。


 グラスウールも撤去した様子 内装のせっこうボードの裏面が見えています。


 小屋裏の様子

外回りの解体は、内装に影響が出るため晴れた日しか作業ができません。
新しい外壁を施工するために釘を全て処理し、解体をしてはブルーシートで養生をする、という工程を繰り返します。


 外壁解体完了


 浴室周りは土台と柱が一部腐朽していたので、根継にて補修
解体しながら躯体の確認等も行いました。
30年も経っていると、いろいろと傷んでいる部分が見つかります。


 サッシ取替えの様子
サッシを交換する部分は内装はそのまま使えるように慎重に外しました。
開閉の多いサッシは取替えとしました。

屋外から断熱材として硬質ウレタンフォームを吹付けます。

 断熱材吹付けの様子 筋交の裏等、細かいところまで断熱材を隙間なく施工できます。


 断熱材施工完了
約180㎡、なんとか1日で終わりました。
断熱材が吹けた部分から、段取り良く防水紙を張っていきました。

屋根の工事



 改修前 屋根 カラーベストの塗膜が剥離し、苔も見られました。
雨樋は支持金物が少ないこともあり、雪での破損が多く見られました。
地域には地域に合った施工方法が必要ということで、今工事では、金物を多くしたり、後述するような雪に強い製品を使用しました。


 新しい屋根のために天窓も撤去し、新しいものを設置します。


 屋根の上に断熱材を直接置いていきます。


 新しい垂木30×40を施工していきます。垂木用ビス200mmで既存の垂木に留めていきました。


 野地板の構造用合板を張り、改質アスファルトルーフィングを敷き、ガルバリウム鋼板屋根を施工していきます。


 改修後 屋根 新しい屋根材はソーラーパネルの施工保証対応品から選びました。

床下の工事


 床下の様子
写真のように土台と根太の間に隙間がありました。
この隙間から間仕切り壁の中に冷気が入っていきます。
ちなみに、見えている断熱材は数年前に寒さ対策で旦那さまが自ら追加されました。


 隙間を発泡ウレタンフォームで埋めていきました。


 配線まわりは隙間が大きかったので、グラスウールを詰めた上で、発泡ウレタンフォームを施工しました。

建物の外気に触れる部分を「外皮」と言いますが、外皮全てを工事することによる断熱改修となりました。

 

新しい外壁、新しい屋根


 改修後 北東側
高い屋根の部分には掃除がほぼ不要で、雪にも強いタニタハウジングのユキノキ・すとっ葉゜ーを採用しました。
こちらは旦那さまが探してこられた商品です。お客様に教えていただくことが多くあります。


 改修後 南東側


 改修後 南西側 ウッドデッキまわり


 改修後 南西側 左手前には旦那さまが建てられた工房

外壁には2種類の素材を使いました。
室内から見える範囲や脚立で届く範囲は塗装やメンテナンスができるということで木を1階部分に使うことにしました。
施主さまから使いたい木の外壁材があるということで提示されたのが、林友ハウス工業のカラマツT&Tパネルでした。
一般的な木の外壁材ですと10~15mmですが、T&Tパネルは厚みが21mmと厚めで耐久性に期待できます。
胴縁には30×40を使い、取り外しができるようにステンレスビスで留め付けました。
また、オスモ ウッドステインプロテクター バザルトグレーを塗装しています。
他の部分はガルバリウムのサイディング、アイジー工業のSP-ガルスパン ダークメタリックです。
耐久性が高く、メンテンナスがほぼ不要、軽いため躯体への負担も少ないです。
外回りが一新しますと、多少サッシに経年の汚れは見られますが、新築のようにも見えます。


 軒天は杉の羽目板を採用しました。こちらも外壁と同じ塗料を塗装しました。


 初めて採用したカラマツT&Tパネル
カラマツの荒々しい木目と、落ち着きのあるグレーの組み合わせでおもしろい表情になりました。
今後どのように変化していくかも楽しみな外壁です。


 色の選定に当たり、決め手にもなった玄関の扉は木工作家さんによる栗の一点モノ。
施主と何度も相談の上、色を決めました。

施主さまにより手を加え続けられたお家。
工房や、ウッドデッキ、物干場の屋根等、新築のようでそうでは無い、時の歩みと愛着が見え隠れするお家になったと感じています。

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◎主な仕上

屋根既存カラーベストの上、押出法ポリスチレンフォーム断熱材t100(熱伝導率0.028W/m・K)、
通気垂木30×40、構造用合板t12,
ガルバリウム鋼板横葺(レジェルーフ)
破風・鼻隠杉t30、ガルバリウム鋼板巻
軒天杉羽目板t12
オスモ ウッドステインプロテクター1回塗り
外壁1カラマツパネルt21(林友ハウス工業 カラマツT&Tパネル) 
オスモ ウッドステインプロテクター2回塗り
外壁2金属系サイディングt15(アイジー工業 SP-ガルスパン)
外壁 断熱材吹付硬質ウレタンフォームt80(熱伝導率0.038W/m・K)
内窓樹脂内窓 Low-Eペアガラス(YKK ap プラマードU)
サッシ(取替え)高性能樹脂窓 Low-Eペアガラス(YKK ap APW330)

今工事では以下の補助金(2023年度)を利用しました。
こどもエコすまい支援事業補助金 断熱材施工  ¥225,000
先進的窓リノベ事業補助金 内窓設置 外窓交換 ¥1,205,000
DATA
所在:
滋賀県大津市
延床面積:
152㎡
構造階数:
木造2階建て
設計期間:
2023年3月~6月
施工期間:
2023年9月~12月

施主様:Sb様

「我が家のリノベーション」と改修計画をA4で2ページにまとめてこられた旦那さま。
仲の良い奥さまと一緒に手を加えられてきたお家を 30年経ったお住まいを、もう30年住める家に と改修をお望みでした。

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