ホーム »  h 地震・構造と建築 - 一級建築士 本田明のブログ

四川関連の地震報道を笑う。あまり笑ってもいられないのですが

起震車に乗った女性レポーターの一言
私が体験した震度は7なのですが、これ以上の地震だったらどうなのでしょう。」

震度階は0から7まで、震度7より上の地震はありません。
彼女は震度とマグニチュードの違いを理解していないみたいです。
というかこの放送を流すまでの経緯に至った全ての人が
この常識を知らなかったこと又はその事に気づかなかったことが問題です。
震度階とマグニチュードの用語解説
「地震・防災-あなたと家族を守るために」の「1.5-マグニチュードと震度」

中国は耐震の法律はちゃんとしているから、手抜き工事が原因だ。

崩壊した建物の建築年次と法改正の時期とを、ある程度統計的調べもしないで、
断定的な結論を導き出すのは早計過ぎる。
耐震関係の法整備がきちんとしている、ということと、
(この点についてもちゃんと確認する必要がある)
現状の建物が耐震的にちゃんと作られているということは全く異なる次元の問題です。
ちゃんとした法律が作られ、その法律に従って全ての建物が建てられているという前提でも、
建築された時期、法律の適用範囲によって、
その基準以前に作られた古い建物や小規模で法律の適用が除外されている建物があったり、
田舎であるためにその法律の適用を除外するような地域があったりして
その耐震関係の基準に合わない建物は多数存在するものです。

・崩壊した建物を見ていると手抜き工事のような事件的要素よりも、
一般の地震に対する教育や知識、建築を専門としている技術者全体の知識が、
皆無なのではないか。
その辺から話を始めなければならない問題で、
ワイロを要求する官僚やそれに答えた悪徳業者を処分すれば足りるというようなものでなく、
社会全体の知識と技術の底上げから始めなければならないようなことに思える。
何枚かの映像を見ていると、穴の開いたブロックのようなコンクリート片がよく映っている。
どうも、ソ連の鉄筋コンクリートプレハブ床版に似ているような気がする。
中国の中層ビルタイプの建築は、ソ連と仲の良かった時代、
ソ連の鉄筋コンクリートプレハブ建築の技術から始まっているのではないだろうか。
床を構成する鉄筋コンクリートプレハブ床版があれば、
とりあえず形態的にはビルタイプを作ることができる。
ソ連の技術を翻案しローコストで建築できるように、壁はレンガ、床はコンクリートの
建物が作られていったのでないのだろうか。
そう考えはじめると、地震の少ないロシアではあまり被害が伝えられたことがないのですが、
地震の多い、シベリヤ沿海州や、カラフトの都市で地震が起こったら
似たような全壊の倒壊形式の被害が発生しそうな気もしてきました。

インフラがずたずた、というコメントがありましたが・・・

道路はたしかにそうかもしれないが、
電気ガス水道については元々インフラ自体が整備されていないところも多いのではないか。
日本の常識的なインフラはない。その辺をわかってしゃべっているとは思えない口ぶりでした。
神戸でガスが大問題になったが、そのようなニュース報道が一つもないのは
元々都市ガスなどが整備されていないことを物語っているような気がする。
建物が半分全壊し室内の壁が露出している状況の映像にも
鉄筋や電気・給排水の配管・配線のちぎれた状況がほとんど見られない、
単なる箱だけの建物だったのだろうか、と疑問を感じてしまって、
ああ、元々設備なんてほとんどなく、あっても裸電球一個という状況だったと理解しました。

くれぐれも、中国の今回の学校崩壊と、日本の学校の耐震改修が進んでいないことを、
耐震構造的に同じような危険なレベルであるかのように報道するのは止めて下さい。

姉歯事件で、耐震偽装がどうの、構造計算がどうの、構造の審査手続きがどうのと、
色々報道し、多少建築構造について少なくとも報道する側の理解が深まったのかと思っていたら
放送各社でそのような誤解を生みそうなニュースの特集が組まれています。
建築の技術者である私は、その無理解に、情けなく、そして悔しい思いでそれらの報道を見ています。
あのような、全階の床が全て落下し瓦礫の山となるような、崩壊形式は
日本の建物ではありえないことです。
そうならないために、関東大震災以後、日本の耐震構造の学問と法律の歴史と蓄積があったのです。

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08/05/18四川の最初の報道で、神戸の震災がフラッシュバックしました
08/05/17四川省関連の地震報道のちょっとおかしいと思うところなどを
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00/11/13阪神淡路震災に思う
以下は、姉歯事件にまつわる当時の私の感想です。
05/11/30構造計算偽装その2
05/11/26構造計算偽装マンション

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以下、私の仕事のコマーシャルです。

土地込み940万円のセカンドハウスのプランを作りました(インフォメーション08/04/02)
住宅・セカンドハウスは、随時ご案内(室内も)出来ます。(インフォメーション08/02/11)
木のコースター、ドイリーを販売することにしました。(MYブログ08/04/17)

ハウスメーカーのAD広告、新聞の全面広告、モデルハウス、チラシ、分厚いパンフレット、
立派な社屋。それらの費用の合計はどれ程でしょう? ある住宅会社の決算をネットで見ると
(原価/売上)が72~75%、建物代金の1/4は、その広告等の経費や利益になる計算です。

とりあえずそこを選択肢から外して、家作りを考えてみませんか。
地域特性に造詣の深い地場の工務店や設計士を見直して頂ければと思います。地場で仕事が
完結すること自体、ヒトやモノの移動エネルギーが少なくてすむ環境負荷の少ない選択であり、
かつ住宅建築は個人ができる大きくて身近な地域振興でもあります。

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四川の最初の報道で、神戸の震災がフラッシュバックしました

四川の最初の報道の、完全に瓦礫と化した建物を見たとき、
直感的に、神戸の震災の時の、あの朝を思い出してしまいました。
これは、かなりひどいと。
早朝でしたが、どうしてだか起きていました。
今まで経験したことのない大きな揺れに驚き、その後、テレビをつけっ放しにしました。
最初は、NHKの神戸支局の映像ばかりで、けが人も一桁の報道ではなかったかと記憶しています。
その後、7時前くらいになって、ヘリコプターからの空撮で、
幾筋もの煙が上がっている映像に接した時、これは容易ならざる事態だ、と思い始めました。
その後亡くなられた方が、二桁から三桁に、最終的には6千数百人になりました。
四川の地震からもう数日経ちました。
あの神戸の震災のようにかなりの被害の広がりがありそうだと思っていたら、
もう既に、昨日の報道では死者5万人、神戸の一桁上の災害となりそうです。

思い出したので、少し阪神淡路大震災当時のことを書いてみたいと思います。

当時私は、自分で設計した3階建てのテナントビルの工事監理をしていました。
外装を終え、内装工事が佳境に入るという時期だったと記憶しています。
出社する時間までテレビを見続け、とりあえず、朝その現場に行きました。
100×50の全面タイル張りの外装に、ひび割れや剥落がなく、
多少の被害はあるだろうな、と覚悟していた私は、とりあえずほっと一安心しました。
と同時に、自分自身の経験としては初めての大きな揺れだったのですが
震災の映像でテレビや書棚が飛ぶような映像を既に見ていた私は、
建物が壊れるほどの揺れとはどのようなものなのだろう、想像がつかないと思いました。
その後、滋賀県建築士会からの要請により、2,3日後に神戸に入ることになりました。
仕事は、避難場所となっている公共建物の被害状況の確認です。
当時は緊急耐震診断といっても、講習会などがあったわけではなく
1時間くらいの説明の後、後は個人の専門的知識による判断で作業が進められて行きました。
私のチームは、避難所になっている自治会館や保育所を廻りました。
その道すがら、阪神高速の横倒しになっているそばを通りました。
ロサンゼルス大地震の時、高速道路がズタズタになる映像を見て、
アメリカは地震に配慮していない、日本ではあんなことは起きない、
といわれていた当時の専門家の常識が見頃に覆された状態を目の前で見ることが出来ました。
神戸の岸壁の辺りはそこここの地面に1mくらいの段差が出来ていて、
埋立地は弱いなーと改めて実感しました。
角地にある木造の店舗だけが見事に崩壊している一角を見て、
偏心率の大きい建物は危険だといわれていた教科書通りの現況も目の前で確認しました。
仕事であった、保育所や自治会館の建物はさほどに被害はありませんでした。
鉄筋コンクリート造の建物でも
スパンが小さく、小さい部屋が多い建物は、当時の構造計算に乗らない「雑壁」も多く、
構造計算以上に余力があったのではないかと感じながら仕事を進めて行きました。
個人の方に「これは大丈夫か?」と道すがら問われることもあったのですが、
「建物が目に見えて傾いているようでは、構造体はもう既に崩壊していると考えられます。
余震があれば危険といわざる得ません。」
時間の制限もありましたので外観だけをパッと見て
心苦しいながらも、そのようなことをお伝えしたりもしました。
一日中埃っぽい震災の現場を歩き回り、一番印象に残ったのが、運不運ということです。
数百年又は数千年に一度しか起こらない直下型地震に実際に遭遇してしまうという不運。
またその被災地域の中でさえ運不運があります。
同じように建築されていた住宅でも、地割れや地面が極端に歪んだ場所は、
その一筋の住宅群だけが見事に壊れたり傾いたりしていて、そのお隣の筋は、
少なくとも外観上に大きな被害を受けていないような箇所がそこここで見受けられました。
1日だけでしたが、私にとってはとても貴重な体験となりました。

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四川省関連の地震報道のちょっとおかしいと思うところなどを

地震があると、それに関連して色々なニュースが流れます。そんな中で、
どうもニュースを発する側の知識不足による何だか変な情報があるように思われます。

その一つが
地震予知に関してです。今回の地震でも、動物の異常行動だとか、
地震研究所の研究員が予知していたのに、当局が握りつぶしただとか、のニュースが
まことしやかにテレビや大新聞社のネットの記事などで散見されます。
このようなことは、ニュースとして報道する価値があるかどうか疑わしいといわざる得ません。
少し、地震予知に関してまとまったコラムがあったので、ここでそれを紹介することにします。
地震を予知するとは(第1~12回)
その第7回には、稀有な事例として
中国の地震-世界で初の予知成功例-(1975海城地域の地震)という項もあります。
もう一つ、
この地震で、学校がたくさん壊れたことでの、日本の学校は大丈夫かとのニュースがあります。
日本の学校でも、現在の耐震基準に合わない、耐震改修が必要な建物があるのは事実ですし、
そのような建物を改修しなければならない、ということに全く異論はありません。
しかし、それを今回の中国で倒壊建物を引用して、似たようなことが日本で起こるという言い方は、
あまりにも現実から乖離していると思います。
日本でも耐震要素が少なく、改修が必要な建物があるのは事実ですが、
今回中国で倒壊した建物の映像を見る限り、鉄筋コンクリート構造とは名ばかりで、
レンガ(ブロック)積みの壁とコンクリート床板の接合部分にコンクリート流し込んだだけ、
鉄筋というものがほとんど入っていないのではないかと思われるような建物です。
そのような建物が地震にあい、
床と壁の接合部が「外れて」数階の床が全部落ちてしまったという状態のように見受けられます。
日本の建物が地震で崩壊した事例では、
ピロティと呼ばる1階の柱だけで構成された部分が崩壊してその階がなくなった事例はありますが、
今回のように建物ごとなくなるような崩壊の仕方は、ありえないのではないかと思っています。
今回中国で倒壊した、耐震要素といわれるような構造部材がほとんど0の建物と、
耐震要素が「少なく」基準に満たないレベルというものとは、相当大きな隔たりがあると思います。
それと、学校だけが耐震的に危ないような、報道にも感じられますが
S56年以前に建築された大多数の建物は、現在の耐震基準には合致しない、
それと同じレベルの話として、学校や公共建物も現在の耐震基準には合致しないということ
も知っておいて頂きたいことです。
最後に、もう一つ、
このような倒壊は手抜き工事が横行しているからだ、という報道がなされています。
手抜き工事がなかったとは言いませんが、
倒壊した建物を見ていると手抜き工事というレベルの話ではありえない。
元々、設計のレベルが地震を想定したような構造になっていない、
としか言いようがない建物が倒壊しているように思われます。
中国の現在の耐震基準はちゃんとしているという指摘がありますが、
その耐震基準はいつ出来たのか、それ以前はどうだったのか、冷静に検討してみるべきです。
地震研究の先進国の日本でさえ、S56年に新耐震といわれる現在の法律にほぼ近いものになり、
その後阪神淡路大震災の経験から、H12年に法律が強化され、
又、その後の姉歯事件で、H19年にも法律が改正されている現状を考えると、
中国で倒壊した建物が、建設当時から設計は耐震的に考慮されていたものである、
という前提は大いに疑わしいものであると、私は思います。
耐震的にちゃんとした建物を倒壊した建物のように手抜き工事したとします。それは、
私の感覚で言えば、その手抜きの内容を知り、ある程度まともな構造の知識のある人間なら、
発注者・設計者・工事施工者、その誰もが、
もし地震がおきたらと考えれば、一日として枕を高くして眠ることなど不可能、
悪夢にさいなまれてとてもまともな精神状態で日常を過ごせないレベルの手抜きです。
それは、ちょっとやそっとのワイロとは比べ物にならない精神的負担です。
いくらなんでもそんなことはしない、
耐震ということに関する知識が皆無でないと出来ないことのように思えます。

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グレーチングの裏表

IMG_0360.JPG
「構造と建築」というほどでもないのですが、グレーチングにも裏表があります。
グレーチングのI型のバーは、側溝巾を跨ぐスパンの梁ということになります。
その梁の面外座屈を防ぐために、側溝と平行に小さなバーが付いています。
ですから、そのバーは上端でなければなりません。
つまり、写真の一番手前のグレーチングは裏表が逆です。
このままにしておくと、重い車が通った場合曲がってしまいます。
町内会などで、溝掃除があった時には、気をつけて元に戻してください。
時々裏表が反対になったグレーチングを見かけることがあるので、書いて見ました。

面外座屈-作用応力方向に変形しないで、作用応力方向以外の方向に座屈変形すること。
と書いても何だか訳わからないと思うのですが、いい解説のリンク先が見つかりません。

 

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他山の石、刈羽崎原発

中日新聞 揺れ、想定の2.5倍 柏崎刈羽原発、最大2058ガル
このようなニュースソースを参議院選挙結果のニュースと重なる30日に発表する事に、
東電の老獪な情報操作術を見るようなきがします。
私は、この事故について興味があったので、新聞でもこの記事を発見しましたが、
見過ごされた方も多いのではないかと思います。
選挙や大事故がなければ、一面又は社会面のトップに据えられた記事だと思います。
ガルという言葉の解説-日本構造技術者協会HP・基準法と地震の大きさ(その2)
ニュースをちゃんと読むと、地盤のゆれの検知した最大は680ガルで
阪神淡路大震災の800ガルより少し少ない程度ということになるかと思います。
この報道で今回の地震が
原発が受けた初めての想定すべき巨大地震であったことが、間違いのない事実となりました。
被害を受けられた方には感情的に許せない言い方になるかもしれませんが、
初めての実物大実験が、出来たことになります。
今後この最大級のゆれに対して、どのような被害状況が見られるのか、
詳細に検討され、原子力発電所の耐震設計の新たな基準が出来ることとなると思います。
それは、日本の一般の鉄筋コンクリート構造物が
十勝沖地震(1968)で最初の大きな被害状況が報告され、その後の研究によって、
新たな耐震基準が定められた事(1981)と似たような経過を辿ることでしょう。
基礎的な地震の研究は当時とは比べ物にならないくらい進んでいるので、
時間的には相当早く結果が出るのではないかと思いますが。
ちゃんとした被害状況の把握にはそれなりの時間がかかるとは思われますが
今回の刈羽崎原発を他山の石として、
原発が地震に対して安全な施設となるように期待します。

今度の原発の件で、詳細に報道して欲しいことがあります。
それは、原子炉が停止に至るまでの経過です。
本当に、自動停止していたのか。
もし自動停止していたとしてその事実を、職員はちゃんと把握できていたのか。
勝谷誠彦さんがTVでポツッともらされたのですが、
火災を何時間も放置していたのは、
それ以外の大変な事に職員が皆おおわらわだったからではないか
という一言が頭に引っかかっています。
原発で大変なことといえば、原子炉の関係しかないので、
その辺の取材に基づく詳細な報道がなされることを期待します。

関連項目
(MYブログ07/07/22) 新潟、柏崎刈羽原発の被害
(MYブログ07/07/17) きのう地震があったので
(MYブログ07/03/21) 原発事故隠し
(MYブログ04/10/30) 地震と建築構造法規は追いかけっこ
 
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新潟、柏崎刈羽原発の被害

昨日、新潟・柏崎刈羽原発の構内が報道陣に公開されの被害の状況の報告が
いくつかニュースになっています。Yahoo!ニュース など
産経新聞の記事には
・・・変圧器の火災の遠因と推測されるのは、施設の重要度で地盤の固さが違っていたこと。隣接した設備の被害状況がまったく違っているという光景は、他の設備にも多くみられた。・・・
と書かれ、それらの施設を繋ぐ配管・配線がその変化に追従出来ずに壊れることが問題、
との報告もありました。難しいことはわかりませんが、こういうことが起こると、

いつも私は、下記のブログに書いた過去の二つの出来事を思い出します。
 
MYブログ03/01/02 施主さんのお話など-原発(町役場職員編)&原発(ある主婦編)
 
原発は、エネルギー的に必要なものなのでしょう。
そして近隣の若狭・敦賀地域を支えている、大きな地場産業でもあります。
原子力発電所の固定資産税だけでも大変な額が、
市町村に入っているんだということを、誰かからに聞いたこともあります。
月並みですが、施設を安全に動かして下さいとしか言いようがないのですが・・・
 
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きのう地震があったので

商工会のことは、また明日からでももう少し続けたいと思っていますが、
今日は、昨日新潟でまた大きな地震があったので、地震にまつわる話などを。

震度※という数字は、専門的には震度階というもので10段階ではありません。
震度7が最大でそれ以上の数字はありません。
過去は、気象庁の職員さんがゆれの度合を体感で決定していたものです。
現在、地震が起こるとすぐに各地の震度がニュースで伝えられるようになりましたが、
それはゆれを計測する機械が各地に設置され、
その体感に当たるゆれを自動的に震度としてはじき出すようになったからです。
現在の震度階は阪神淡路大震災以降に細分化されたものです。
震度5と6がそれぞれ5弱・5強と6弱・6強に細分化され、現在では9段階あることになります。
大きい震度階が細分化されたのは、
昔はごっつひどい揺れとしてひとまとめにされていたものが、
計測器のデータからひどいゆれの度合が数値化できるようになったからだと思います。
震度階の話は「地震・防災-あなたと家族を守るために」の「1.5-マグニチュードと震度」
に詳しく書かれています。

琵琶湖西岸断層帯についての私見

琵琶湖西岸断層という活断層について、近頃良く話題になります。
活断層の地震確率なんて、意味がありません。
過激な言い方かもしれませんが、私はそう思っています。
活断層の地震確率とは、「地震考古学」等でわかってきた断層の正確な年の履歴などから、
その確率を予測しているのです。
プレート型の地震と異なり、活断層の活動履歴は、数百年~数千年単位
その断層の履歴から今後の確率をはじき出しているようです。
単純にいえば、ちょうど500年前と1000年前に断層が動いているから、
今度動くのは今年あたり?ということです。
モノの本を端っこから読んだだけですが
その中には「活断層の活動が1回だけ確認されている」活断層でも
周辺の履歴やイロイロな原則等からの推測として、確率が数字で書かれていました。
30年や50年は誤差範囲といっても過言ではないと思います。
それらの〇〇%という数字は、
百年を単位して考える土木工事の設計の資料や
統計的に計画しなければならない、行政や保険業界には有用なことかもしれませんが
大人になって、家をどうこうできる歳から死ぬまで約50年
最長のローンの長さが35年の個々の人間にとっては何の意味もない数字です。
実際、阪神淡路や新潟の中越地震では、地震が起こった後に活断層が確認されています。
鳥取西部地震にしても、最近の能登半島沖地震にしても危険な活断層とはいわれていなかった所です。
地震に対して丈夫な家を作ることはとても重要なことです。
しかし、地震確率が高い地域であることと、
個人の住宅の建築とは何の関わりもないことと言ってもかまわないと思っています。

地震に関して私が書いたことなど

地震と建築構造法規は追いかけっこ(MYホームページより)
阪神淡路震災に思う(MYホームページより)
雪と体育館の耐震改修(MYブログ07/06/14)
怒・地震とブロック塀(MYブログ07/03/27)
神社の拝殿が建築できない?(MYブログ06/07/28)
以下は、姉歯事件にまつわる当時の私の感想です。
構造計算偽装その2(MYブログ05/11/30)
構造計算偽装マンション(MYブログ05/11/26)
 
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新聞集配所新築工事

設計を担当した、安曇川町の新聞集配所の木造架構です。
070302NHhouse.jpg
木造で、2.4mの出の屋根を2×10(38×235)材で作ってみました。(写真右側)
トラックが軒下に入って荷物の積み下ろし作業が出来るようにです。
真ん中の辺りの壁は、耐力壁。
内部はオープンな一室空間が必要で、壁がとれないので外側に突き出して設けました。
新人の竹中が、勉強も兼ねながら構造金物のチェックをしているところです。

手前味噌になりますが、安曇川町の方で新年度になって新聞が必要になった方は、
朝日新聞サービスアンカー安曇川までよろしくお願い致します。

関連項目
朝日新聞集配所が完成(MYブログ07/05/18)

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地震と建築基準no2

小島さん等の証人喚問を受けて、衆議院予算委員会でも
建物の耐震構造についての質疑が行われました。

その中で、与野党とも建築技術上の誤解の上に
国会議員の質疑応答がなされていたように感じたので
そのことについて書いてみたいと思います。
それは民主党原口氏の質疑 http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.cfm
(1月26日予算委員会)の一部です。

民主党原口氏の質疑に対し、北側国土交通大臣は
「昭和56年以前の構造計算でも、一次設計はちゃんとなされているので、
震度5強までの地震には柱梁が損傷しない」という返答をしました。
それに対しては、質問者の反論もありませんでした。
この部分は、建築基準法及びその技術的バックグラウンドに対して
与野党双方共、理解していないと。

私は、国土交通大臣の返答は誤りだと思っています。
返答の言葉を借りるなら
「昭和56年以前の構造計算の一次設計は、震度5までの地震には
柱梁が損傷しない、という趣旨の元に法体系は作られていた」
「しかし
、十勝沖地震などの被害を元に研究が進められ
1.鉄筋コンクリート構造についての柱のせん断破壊性状
2.構造壁以外の鉄筋コンクリート壁についての強さの評価
3.建物全体の強さのバランスの評価(専門的にいうと剛性率と偏心率)
4.地震力の再評価(S56以降、地震力そのものが増加された)
についてS56以前の一次設計に大きな問題があることが認められた。
だから、S56以前の一次設計がOKでも以後の法律による一次設計がOKとは限らない。」

というのが、正確に近い所だと思います。

S56以前の建物が、全て震度5強までの地震に柱梁が損傷しないとは限りません。
というか、その程度の地震で壊れた建物を調査して、上記のような問題が発見されたのです。

ただ、反対に、心配性になりすぎてもいけない部分もあります。

法律的には、S46以前の木造住宅は、基礎に鉄筋がなくてもOK、布基礎でなくてもOKです。
それらを、耐震診断をすれば、全てNGです。
ということは、ほぼ全ての神社仏閣や古民家・町屋が、
一般的な耐震診断という手法で診断すればNG、ということです。

鉄筋コンクリートなどの現代の技術で建設されたものは、それなりに評価が出来ますが
そのような技術的評価が困難な建物も存在することが現在の状況です。
阪神大震災では、都会の木造の建物がたくさん倒壊しました。
しかし、同程度の地震であった、H12の鳥取県西部地震では、古い木造建築物が
大きくひずみはしたものの、倒壊は免れていることが報告されています。
それらは、「木造」と十羽一からげにして、評価することは出来ません。

ただ、現在の普通の大きさと工法の木造住宅程度については、
現行法規が、構造的には必要十分なものになっていると思っています。
というか、それを土台にして私は仕事をしています。

また一つ話をややこしくするようではありますが
私は、伝統的木構造が耐震構造だとは思っていません。
現在の一般的な構造評価の手法はなじみにくい、とは思っていますが。
例えば、五重塔が地震で倒れない、なんてのは間違いだと思います。
現在残っている塔が、阪神大震災被災地の震度7などというものを経験していない
だけ、といった方が正しいのでは、と思っています。

 

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地震と建築基準

私のHPの雑文
http://hondakenchiku.com/114.html

地震と建築の基礎的なこととして読んでいただければ幸いです。

◎地震と建築構造法規は追いかけっこ(15.8.3) (16.10.30追加)
◎阪神淡路震災に思う

以下は、今回の姉歯事件にまつわる私の感想です。

構造計算偽装その2 
構造計算偽装マンション 
姉歯さん 

☆本田☆

 

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