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大阪道修町(どしょうまち)を歩く

先日、大阪道修町へ行ったときに、街中にいかにも由緒ありげな旧家を見つけた。
080611konishi01.jpg080611konishi.jpg 
コニシ株式会社?どこかで聞いたことのある名前だな、と思って帰って調べて見ました。
黄色のボトルに赤の文字、小学校の時には工作で、
現在では工事現場で大型のボトルでなじみのある接着剤メーカーの老舗でした。
その建物は、重要文化財小西家住宅(コニシの歴史)でした。
そうか。接着剤は、大阪の薬問屋が化学薬品を扱ううちに接着剤の専業になっていったのか。
会社がいくら大きくなろうと、本家の発祥の地がそのまま保存されている。
何だか、この建物を見ていると、余計に木工ボンドが信用できるように思ってしまいました。
中々面白そうな建物ですが、今も会社として使われていて非公開だそうです。
コニシ株式会社のホームページ

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完結すること自体、ヒトやモノの移動エネルギーが少なくてすむ環境負荷の少ない選択であり、
かつ住宅建築は個人ができる大きくて身近な地域振興でもあります。

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味わいのある旧家の座敷

昨夜、近所の大おばあさんが96歳の大往生ということで、お通夜におまいりした。
近所とはいえ、旧家の主座敷(おもざしき)、こんなときでないと見ることもない。
大正から戦前までくらいの間に建てられたと聞いている。
玄関脇のガラスの開き扉に「電話室」と書かれている小部屋が当時のママ残っている。
中央に1.5間の間、座敷側が2間、反対側が1.5間か2間、合計梁間が5間か5.5間、
桁行は部屋が4つ位並んでいたので、8間はある大きな建物。
お年寄りが多い中、あまり前に行きたくなかったので、座敷の奥の縁側にぺたんと座った。
床が、松の柾(まさ)の縁甲板(えんこういた)、巾が四寸位、二分位の大きな面取りがしてある。
敷居は巾が五寸位で大きい、多分通柱に寸法を合わせているのだろう。
広葉樹特有の導管があるが樹種はわからない。
通り柱に敷居の寸法を合わせることによって、畳の角に変な欠き込みがなくなる。
きれいな納まりの大工仕事をしていることが、これを見ただけでもわかる。
縁側の天井は、化粧タルキ野地板に紅柄(べにがら)塗り。
奥の扉が、黒の漆塗りの框戸(かまちど)。一尺巾の杉の中杢のきれいな板が3枚嵌っている。
座敷の天井は、八寸巾位の柾板の竿縁天井。
かなり焼けているのに加えて、あまりに均質すぎて樹種ははっきりしない。
定番は杉だが、そうと言い切れる自信がない。
竿縁(さおぶち)が少し太い。
見付が一寸三・四分、下から見て面取りされているのがはっきりわかるので面は一分五厘か二分。
少し五平(ごひら)になっているのかもしれない。
古いが全くすすけていないのは、いろりなどを常時使う生活スペースは別にあって、
この座敷のある建物が、
前の部分は商店、奥の部分はゲストルームの機能だけを受け持つ建物だったからだろう。
建具は全て外され、床の間やランマは、白い布で覆われていてわからなかったが、
天井だけでも、旧家の格式がわかるようなかっちりとした気品のある仕様だ。

などと、読経が流れる中、古くても気品がある建物っていいなー、と鑑賞してしまいました。

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鬼瓦いろいろ(滋賀県マキノ町、海津町歩き)

高島市マキノ町の海津・西浜・知内が、重要文化的景観に国から選定された事もあってか、
今まであった「海津物語」という案内パンフレットを、リニューアルする企画が持ち上がりました。
その資料集めで、海津の表通りから路地裏までうろうろしました。
色んな種類の鬼瓦があったので、少しこのブログにアップします。

080620tare03.jpg
080621tama01.jpg
080620school01.jpg
などなど、詳しくは以下のMYブログ(海津の町の鬼瓦いろいろ)からどうぞ

MYブログ(海津の町の鬼瓦いろいろ)
08/07/10鬼瓦LAST(海津町歩き07)
08/07/04まだ続く海津の鬼瓦(海津町歩き06)
08/06/29家紋の鬼瓦はたくさんあります(海津町歩き05)
08/06/28家業繁栄を願う鬼瓦(海津町歩き04)
08/06/27「水」という文字が多い鬼瓦(海津町歩き03)
08/06/26変り種の鬼瓦(海津町歩き02)

MYブログ(重要文化的景観関連)
08/06/25海津町歩き01
08/02/23重要文化的景観のフォーラムが終わりました
08/02/20重要文化的景観選定記念フォーラムが2/23日に開催
08/01/18海津・西浜・知内が重要文化的景観に選定

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林業に専従して山のみで生活が維持できるか?

先日、08/06/18中腹までは杉林(マキノ山歩き03)を書いている時に「木起こし」という言葉の
いい説明がないかと色々探していたらとても面白いHPを見つけました。
石黒の昔の暮らしというHPです。
このホームページは、山へ入った若い研究の指導の下に、
地元のお年寄り達が昔の生活を一つ一つもれなく思い出しながらまとめられたもののようです。
このHPの四季の農作業-杉の木起こし、というページに木起こしが解説されています。

このページを見ていて思ったのですが、昔は山の手入れは、
多種多様な農作業の合間にその農作業の一つとして行なわれていた。そして、
大きく成長すると娘の嫁入りだとか家の新築だとかの臨時の大きな出費の備えとなっていた。
それでも、冬には出稼ぎなどをして生活を支えてきた。それが山村の生活だった。
しかし、造林公社などは専従の職員を何人も配置し、その給料を、昔で言えば、
娘の嫁入りなどに備えて取っておくものを、どんどん前借していった。
そして、たくさん前借して、ちゃんとした山を育ててかというとそうではない。

元々、山というのはそんなに人を抱えられるだけの物的資本ではないのではないか。
環境と言う立場で捉えるなら、山の維持管理というのは河川の維持管理などと同じように、
税金でまかなわなければ仕方がないものなのではないか。
そのあたりをちゃんと見据えて、今後の林業施策がなされていくべきだと思う。
そして、ちゃんと維持管理された木がいい値で売れるようなことがあれば、売った時に、
ご先祖様のありがとうございました、と感謝してその時代に必要となった事業に振り向ける、
日本の山の資産というのはそんなもので、
それを担保に借金して未来から前借するようなものではないと思う。

この辺で、最近感じた林業についての話は終りにします。

関連MYブログ
07/05/30彼は貝にならなくてよかった
07/05/31 日本の木にも団塊の世代が
07/06/01 木は山に生えていない
07/06/02 ちょっとアニメっぽい機械
07/06/03 林道は自然破壊か
07/06/06 熊本県の小国杉
07/06/09 林業にも年金と似たことが
07/06/13 林業関係の話
07/06/28 簡単に解体?緑資源機構
07/08/10 林業の問題は経済の問題
07/08/26 林業のことわかってる?
08/04/03造林公社と山林所有者の分収率が6:4から9:1に変更
08/06/18中腹までは杉林(マキノ山歩き03)
08/06/19林業の問題で、誰が責任を取らないと
08/06/23林業に専従して山のみで生活が維持できるか?
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極端へ走りすぎる建築関係の報道について

天窓落下事故を受けて、まだあまり事後報道がなされていませんが、
これで、樹脂系トップライトドームというものが、諸悪の根源のような報道話になり、
使えなくなくなってしまうのではないかと、危惧します。

森ビルの自動回転ドアによる死亡事故の後、
このドアは、ほとんど使われなくなったように思われます。
事故現場も、普通のスライド式の自動ドアに変更され、良かった良かった、
という話に納まっているみたいです。
スライドの自動ドアだって、大型になれば利用の仕方によっては
スキマに挟まれる危険はあるはず、
何故回転ドアだけが殺人建具のように嫌われるようになったのでしょうか。
これは、その時の一方的な報道が原因のような気がしてなりません。
この回転ドアが森ビルという最先端の建築技術を集めた建物で採用された理由は、
開閉頻度の多い大空間の出入口冷暖房のエネルギーロスを
最小限にとどめるために考えられたものです。
冬の寒いヨーロッパ・アメリカ北部でこの形式が発達した理由もそこにあります。
冬の冷気の進入を防いでくれる開閉形式なのです。
特に吹抜の大空間などがある場合、上下の空気の温度差の関係から、
ドアを開けると思わぬ強い風を受ける経験をされた方は、何人もおられると思います。
強い風はあるということはそれだけ冷暖房のエネルギーをロスしているということです。
エネルギー消費の少ないビルを設計するために考えられたこのドアは、
報道のあとほとんど採用されていないと思われます。
こういうドアを必要とする施設は、商業施設や余程大きな事務所ビルしかありません。
報道で殺人建具のイメージを植えつけられたものを、商業施設のオーナーが
いくら省エネ効率が高いと言っても採用されることにはならないからでしょう。

学校の防煙シャッターで死亡事故が起きたときにも、色々な報道がなされました。
この場合は、シャッター下部にセンサーを付け、安全性が高まるような製品となりました。
回転ドアも防煙シャッターと同じように、安全性を高めるというような、
建設的な方向で物事が進めばよかったのに、と今は思います。
多分両者の違いは、先端技術でほぼ初めて採用されたものと、
既に全国至る所でその製品があったものとの違いによるようなきがします。

話が変わって、学校の耐震補強の問題。近頃良く報道されます。
私は、耐震補強することは良いことだと思っています。
しかしなぜ学校ばかり取り上げられるのか?ということに疑問を感じます。
まだ、40%も耐震補強がなされていない校舎があるだとか、
耐震診断もされていないものが数%あるだとか。
まず物事の前提として、このような技術や診断方法はいつからなされたか。
これは、阪神淡路大震災以後です。それまでは、大多数の建築技術者は、
震災にあって多少でも壊れた鉄筋コンクリートの建物は建て替えるしかない、
と考えていた、と思います。
ところが、都市にあのような地震が起こり、
そんなことばかりいっていたら大きなビルをどれもこれも建て替えなければならなくなる。
そこで、耐震補強という方法が実務的にものすごいスピードで研究が進んだ。
そしてそれが、被災はしていなくても古い基準の建物にも応用された。
広まったのは高々、10年前後の技術です。
その方法で、全国津々浦々の学校のうち60%も工事がなされたというのは、
文部科学省の補助もあり、良く進んだ方だ、と思ってしまうのです。
補助のない市庁舎などは、それが本当の防災拠点かもしれないのに、
そのような割合には、到底届いていないハズ。
災害時にちゃんとしなければならないということでいえば、
例えば新聞社やマスコミのビルで、支局含めた全ての建物で統計を取ったらどうなるだろう。
昭和56年以前の耐震診断をしなければならないビルのどれだけを診断しているだろう。
民間のテナントビルで耐震補強工事がなされているものは、一桁の%だと思う。
そういうことを思うと、なぜ学校だけ、こうも取り上げられてしまうのだろう、
と、疑問に思ってしまうのです。
それは、つい先日の四川の地震のせいの様に私には思われます。
しかし、局地的ではありますが、先日の岩手の地震で、
四川の学校のように床が抜けて建物が瓦礫の山となるような崩壊形式の建物があったでしょうか。
いくら山間地とはいえ、いくつかの鉄筋コンクリートの建物はあったはず。
日本では、中国のあのような崩壊形式はありえないのです。
それなのに、地震が起こるとすぐに学校だけが危険なように
喧伝してしまうのはいかがなものかと思われるのです。

耐震偽装やその影響による昨年の建築基準法改正についても、
その報道にしっくりしない部分が多々あります。

どうも、マスコミの記事は、建築技術ということに深く理解がないために
極端から極端へ傾いてしまっているような気がしてなりません。
ニュースはニュースでいいのですが、事後報道・解説報道などは
その辺りもちゃんとふまえた上で報道がなされるべきだと思います。
逆な方向からいえば、私から見ればちょっと危険じゃないか、と思われるような
建物や建物の部分があるものを、カッコイイ新築の建物として紹介されたりもしています。
建築に関わる報道は、どうもバランスを欠いているものが多いような気がしてなりません。
一級建築士は全国で30万人、いくらでも報道する前のバックデータとして
話を聞こうと思えば聞ける人がいるようなきがするのですが。

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杉並の小学校の天窓落下事故の正直な感想

既存のトップライトに後付も出来る、落下防止ネットがあるそうです。
㈱菱光(トップライトのメーカー)の落下防止ネットのホームページ
浅学にも知りませんでした。(以上6/26追記)

杉並で小学校の天窓に穴が開き、児童が落下して死亡。
予想もしない事故、これもその一つだと思う。
壊れたのは多分、アクリルドームだと思うのだが、
こわごわと静かに乗って破損するようなものではない。
亡くなられた方には非常に失礼な言い方になるのかもしれないが、
その上で、本気になって飛び跳ねるようなことでもしない限り壊れるようなものではないと思う。
多分、今までもそのようなおふざけを皆がしていた。
下が妙に透明っぽいし、飛び跳ねると合成樹脂であるため適度な弾力性があったりして、
それなりに遊びとしては面白かったのではなかろうか、とも思う。
先生もそんなことは知っていたけれども、身の危険があるような行為だとは認識していなかった。
屋上の手摺を乗り越えて、転落などの事故がないようには目を光らせていたかもしれないが。
ところが、ほとんどの合成樹脂は日光の紫外線の影響により年月が経つと、劣化しもろくなる。
たまたま、そのもろくなっていたものに極端な力を加えた結果なのだろうと思う。
現在では、こういう形のドームでも、アクリル樹脂ではなく、ポリカーボネート樹脂という
経年劣化のかなり少ない材料が使われている。
アクリル樹脂だって、塩ビなどと比べれば相当経年劣化は少ない方で、
私の仕事を始めた当時(昭和52年)既に、建築材料として一般的な商品だった。
今は、ポリカドームの方が主流になっているのではないかと思う。
公共施設は、蹴っても叩いても壊れない、そんなヘビーデューティーな仕様で作られてはいるが
それでも、経年変化により、こんな不幸なことが、起こってしまうことがある。
少なくともこの事故で、
学校関係者が建物の維持管理に手落ちがあったという結果にはならないで欲しい。
それは、あまりにも予測の範囲を超えている。

アクリルドームトップライトにという物に関しては、
建築年次を調べ、メーカーに経年劣化の度合を確認する必要があるのかもしれない。
総じて、このような物質は経年変化により新品の白い色から、黄味がかった色に変化する。
現物を確認する場合は、
黄味がかっている度合が大きそうな場合は、注意する必要があるかも知れない。
また、上に載ったり衝撃が加えられたりしていると、
取付けボルトの周辺にヒビが入っている可能性もある。そんなものがあれば要注意、
人が多く通るような場所なら、交換も考慮する必要があるのでは、と思う。
このような商品は、一般的に屋根の上に設置されることを想定されているので、
雪などの積載荷重については、充分に検討されているだろうが、
衝撃強さ、などについてはそんなに深く検討されていないもののように思う。

建物維持管理者様のために、アクリルドームトップライトの主なメーカーを記しておきます。
◎ 株式会社菱光 ◎ 株式会社鎌倉製作所 ◎ ナブコシステム株式会社

あっ、それからニュースで
アクリルドームの下にガラスがあって、それも突き破った、という表現がありましたが
このガラスは、このような事故を想定したものではありません。
学校などの建築物は、耐火建築物(建築基準法で明確に仕様性能を規定している用語)
という火災に対する性能が高いランクの建築物にしなければなりません。
アクリル樹脂は基本的には可燃性の物質なので、
それ1枚で、建物と外部とを区切ることは耐火建築物の性能上許されておらず、そのために
6.8mm網入ガラスという防火設備(これも、建築基準法で明確に仕様性能を規定している用語)
が入っています。
それならガラス1枚だけでも良いではないかという話になりかねませんが、
ガラスならもっと落下した時の危険性が危惧されますし、屋上の防水の納まりの良さなどから、
この商品がトップライトとして一般的に利用されているのです。
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ハウスメーカーのAD広告、新聞の全面広告、モデルハウス、チラシ、分厚いパンフレット、
立派な社屋。それらの費用の合計はどれ程でしょう? ある住宅会社の決算をネットで見ると
(原価/売上)が72~75%、建物代金の1/4は、その広告等の経費や利益になる計算です。

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林業の問題で、誰か責任を取らないと

林業の問題、昨日の続きです。
今日の京都新聞の一面トップの解説にまた、憤りを覚えてしまいました。

見出しが、回収に道筋、現実的な判断

中味の文章で、・・・両公社の支払能力が生じるのは森林伐採収益が上がる2015年以降で・・・

京都新聞の解説記事を書く人が、負債を出した当事者言葉をそのまま載せている。
収益が上がると狼少年のように言い続けて、今現在に至っている状態なのに、
まだ、将来に収益が上がるなどということを。
これでは、世間に間違った認識を与えてしまう。
経済的には債務整理という、会社でいうと破産状態を作り出し
その使ったお金で、
金にもならない荒れ果てた杉山や、とても搬出できそうにない山奥の杉山を作った。
この責任を誰か取ったのか。
そのけじめがなく、債務問題が「現実的な判断」として評価することは、
今後の林業を間違った方向にもって行く気がしてなりません、
2,30年前の緑のオーナー制度と同じように。
誰かが、山一證券の倒産時の社長のような記者会見をしなければ、
結局、経済的喪失と山の環境破壊をした当の組織が
今後、山の環境を守る専門家の集団として連綿と続いていくことになりそうな気がします。
それは、社会的にも将来的にも絶対に良いこととは思えません。
誰か腹を切ってください(当然抽象的な意味で)。

葉隠れの有名な一節を書いて見たいと思います。

(岩波文庫の原文)
武士道といふは、死ぬ事と見付けたり。二つ二つの場にて、早く死ぬかたに片付くばかりなり。別に仔細なし。胸すわって進むなり。圖(図)に當(当)らぬは、犬死などという事は、上方風の打ち上がりたる武士道なるべし。圖に當るようにわかることは、及ばざることなり。我人、生きる方がすきなり。多分すきの方に理がつくべし。若し圖にはづれて死にたらば、犬死氣違いなり。恥にはならず。これが武道に丈夫なり。毎朝毎夕、改めては死に死に、常住死身になりて居る時は、武道に自由を得、一生越度なく、家職を仕果たすべきなり。
(私のいい加減な意訳)
(高潔で偉大な忠義を尽くすべき主君の下で、旧国の統治を任されている)武士は、いつでも責任を取って死ぬことができる心持で、常に事に当たらねばならない。失敗があればそれぞれの場面ですぐに責任を取って死んでしまえばいい、それだけのことだ。その心持を持つことで、腹が据わる。未来の結果を見てみないと犬死だなどと考えてしまうのは、当世風の上方の武士道だ。将来の本当の結果は、誰もわかるはずがない。誰もみな、生きることの方が好きに決まっている。必然的にその好きな生きることの方に、理屈を付けてしまうものだ。もし、その時点での将来の判断を見誤り、死ぬほどのことではなかったのに死んでしまったところで、それは、バカなあわて者と思われるだけだ。恥にはならない(恥をかいたまま生き続けることの方が武士として余程見苦しい)。これが武士の常に持たなければならない心持だ。毎朝毎夕、自分の行いに、「今日、切腹に値するような間違ったことをしでかしてはいないか」と思っていれば、自分の思考にいらぬ拘束がなくなり大きな自由が得られ、公明正大な間違いのない判断が出来るものだ。そしてその心の持ちようで、一生落度なく、仕事を勤め上げなければならないし、そういう心持ちでいれば実際にそう出来るのものだ。

関連MYブログ
07/05/30彼は貝にならなくてよかった
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中腹までは杉林(マキノ山歩き03)

石庭という集落から山に入ってはじめの方は、植林された杉林が続きます。 
080615harayama07.JPG

根曲がりしたまま林立する杉の光景を見て、とても腹が立ってきました。
建築用材として最も価値のある根元に近い太い部分
一番下の部分であることから、一番玉と呼び習わされるこの部分が
この山ではほとんど建築用材として無価値なものになっています。
昨日の京都新聞の記事にこんなのがありました。
08/06/17 「緑のオーナー」元本割れの恐れ びわ湖造林公社、木材価格低迷で
リンクがすぐ切れるので、一部文章を参照します。

滋賀県の財団法人びわ湖造林公社(大津市)が森林育成のため出資を募り、成長した木の販売収益を配分する「緑のオーナー制度」(分収育林事業)で、木材価格の低迷から配分金が出資額を下回る「元本割れ」の懸念が生じている。最初の伐採時期が2年後に迫る中、同公社は琵琶湖を取り巻く森林を守るとの理念を訴え、オーナーに理解を求めている。 ・・・

木材価格の低迷からじゃない。それも一因ではあるだろうが、
ちゃんと維持管理しない山の木に価値はない。
ちゃんと維持管理できないと思われる山の奥になぜどんどん植林してしまったのか。
木を売るのが前提の植林なら、その木をどのようにして搬出するのか、
ということを植林する当時にちゃんと考えていたのか。
結果として、こんな山を作り続けることに、ジャブジャブとお金を投入してしまった結果じゃないか。
そういう憤懣が、この景色を見て、またその次の日に京都新聞の記事を見て、
フツフツと湧き上がってきました。

ちゃんと維持されている山の写真と見比べていただくとその違いは歴然としています。
雪のある斜面地での造林には、「木起こし」という作業が不可欠です。
杉の幼木の時代、雪で倒れかけて変な方向に育つ木を、垂直に直してやる作業です。
そんな作業もし、また、鹿の食害に合わないようにビニルテープを巻きつけられた木々が
垂直に立っていることがお分かりだと思います。

imgp2583.jpg
写真は、おじさんの山旅のホームページ の
日記リスト 07/11/14 比良・コメカイ道で地蔵山 杉林の朝日から参照させていただきました。

基本的には、緑のオーナー制度というのは、地元の林業に関わる人達が、
「分収造林」というシステム自体に深い疑念を持ってしまって
協力がおざなりにしかしてもらえなくなったので、
その内容を知らない都市の住民に「環境維持」という美名の下に結果として騙した、
ということです。
それは、当時の林業の赤字体質を立て直すために、
何も知らない素人さんからの資本注入は、バランスシートを多少手直しするのに役に立った。
そして、植えっぱなしと、以前からの仕事のやり方は全く変わらなかった。
そして、その注入された資本は、造林公社の職員さんや組織の維持管理と
そして、山の植えっぱなし労務に消えていき
貸借対照表上は、素人さんの出資金という現金が、
杉の山という資産に付け替えられ続けるということが続けられてきた。
「分収造林」という結果としていんちきシステムとしかいいようのないシステム全体は
結局2~30年延命治療されただけ、今また死期を迎えている、ということだと思います。

この国の林業行政の大きな失敗をちゃんと喧伝することが、
本当のマスコミのすることではないでしょうか。
そうでないと、また環境保全という美名の下に、さらに変な延命処置の政策がとられかねない。

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08/06/16初めてのマキノの山歩き01
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地域特性に造詣の深い地場の工務店や設計士を見直して頂ければと思います。
地場で仕事が完結する事は、ヒトやモノの移動が少ない環境負荷を軽減する選択であり、
かつ、住宅建築は個人ができる、大きくて身近な地域振興でもあります。

ハウスメーカーの建物。数億円の豪邸も建売住宅も同じようなサッシや外壁って何だか
変じゃありませんか。
とりあえずそこを選択肢から外して、家作りを考えてみませんか。

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四川関連の地震報道を笑う。あまり笑ってもいられないのですが

起震車に乗った女性レポーターの一言
私が体験した震度は7なのですが、これ以上の地震だったらどうなのでしょう。」

震度階は0から7まで、震度7より上の地震はありません。
彼女は震度とマグニチュードの違いを理解していないみたいです。
というかこの放送を流すまでの経緯に至った全ての人が
この常識を知らなかったこと又はその事に気づかなかったことが問題です。
震度階とマグニチュードの用語解説
「地震・防災-あなたと家族を守るために」の「1.5-マグニチュードと震度」

中国は耐震の法律はちゃんとしているから、手抜き工事が原因だ。

崩壊した建物の建築年次と法改正の時期とを、ある程度統計的調べもしないで、
断定的な結論を導き出すのは早計過ぎる。
耐震関係の法整備がきちんとしている、ということと、
(この点についてもちゃんと確認する必要がある)
現状の建物が耐震的にちゃんと作られているということは全く異なる次元の問題です。
ちゃんとした法律が作られ、その法律に従って全ての建物が建てられているという前提でも、
建築された時期、法律の適用範囲によって、
その基準以前に作られた古い建物や小規模で法律の適用が除外されている建物があったり、
田舎であるためにその法律の適用を除外するような地域があったりして
その耐震関係の基準に合わない建物は多数存在するものです。

・崩壊した建物を見ていると手抜き工事のような事件的要素よりも、
一般の地震に対する教育や知識、建築を専門としている技術者全体の知識が、
皆無なのではないか。
その辺から話を始めなければならない問題で、
ワイロを要求する官僚やそれに答えた悪徳業者を処分すれば足りるというようなものでなく、
社会全体の知識と技術の底上げから始めなければならないようなことに思える。
何枚かの映像を見ていると、穴の開いたブロックのようなコンクリート片がよく映っている。
どうも、ソ連の鉄筋コンクリートプレハブ床版に似ているような気がする。
中国の中層ビルタイプの建築は、ソ連と仲の良かった時代、
ソ連の鉄筋コンクリートプレハブ建築の技術から始まっているのではないだろうか。
床を構成する鉄筋コンクリートプレハブ床版があれば、
とりあえず形態的にはビルタイプを作ることができる。
ソ連の技術を翻案しローコストで建築できるように、壁はレンガ、床はコンクリートの
建物が作られていったのでないのだろうか。
そう考えはじめると、地震の少ないロシアではあまり被害が伝えられたことがないのですが、
地震の多い、シベリヤ沿海州や、カラフトの都市で地震が起こったら
似たような全壊の倒壊形式の被害が発生しそうな気もしてきました。

インフラがずたずた、というコメントがありましたが・・・

道路はたしかにそうかもしれないが、
電気ガス水道については元々インフラ自体が整備されていないところも多いのではないか。
日本の常識的なインフラはない。その辺をわかってしゃべっているとは思えない口ぶりでした。
神戸でガスが大問題になったが、そのようなニュース報道が一つもないのは
元々都市ガスなどが整備されていないことを物語っているような気がする。
建物が半分全壊し室内の壁が露出している状況の映像にも
鉄筋や電気・給排水の配管・配線のちぎれた状況がほとんど見られない、
単なる箱だけの建物だったのだろうか、と疑問を感じてしまって、
ああ、元々設備なんてほとんどなく、あっても裸電球一個という状況だったと理解しました。

くれぐれも、中国の今回の学校崩壊と、日本の学校の耐震改修が進んでいないことを、
耐震構造的に同じような危険なレベルであるかのように報道するのは止めて下さい。

姉歯事件で、耐震偽装がどうの、構造計算がどうの、構造の審査手続きがどうのと、
色々報道し、多少建築構造について少なくとも報道する側の理解が深まったのかと思っていたら
放送各社でそのような誤解を生みそうなニュースの特集が組まれています。
建築の技術者である私は、その無理解に、情けなく、そして悔しい思いでそれらの報道を見ています。
あのような、全階の床が全て落下し瓦礫の山となるような、崩壊形式は
日本の建物ではありえないことです。
そうならないために、関東大震災以後、日本の耐震構造の学問と法律の歴史と蓄積があったのです。

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08/05/17四川省関連の地震報道のちょっとおかしいと思うところなどを
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07/12/13刈羽崎原発、地震災害の検証
07/07/22他山の石、刈羽崎原発
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以下は、姉歯事件にまつわる当時の私の感想です。
05/11/30構造計算偽装その2
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立派な社屋。それらの費用の合計はどれ程でしょう? ある住宅会社の決算をネットで見ると
(原価/売上)が72~75%、建物代金の1/4は、その広告等の経費や利益になる計算です。

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四川の最初の報道で、神戸の震災がフラッシュバックしました

四川の最初の報道の、完全に瓦礫と化した建物を見たとき、
直感的に、神戸の震災の時の、あの朝を思い出してしまいました。
これは、かなりひどいと。
早朝でしたが、どうしてだか起きていました。
今まで経験したことのない大きな揺れに驚き、その後、テレビをつけっ放しにしました。
最初は、NHKの神戸支局の映像ばかりで、けが人も一桁の報道ではなかったかと記憶しています。
その後、7時前くらいになって、ヘリコプターからの空撮で、
幾筋もの煙が上がっている映像に接した時、これは容易ならざる事態だ、と思い始めました。
その後亡くなられた方が、二桁から三桁に、最終的には6千数百人になりました。
四川の地震からもう数日経ちました。
あの神戸の震災のようにかなりの被害の広がりがありそうだと思っていたら、
もう既に、昨日の報道では死者5万人、神戸の一桁上の災害となりそうです。

思い出したので、少し阪神淡路大震災当時のことを書いてみたいと思います。

当時私は、自分で設計した3階建てのテナントビルの工事監理をしていました。
外装を終え、内装工事が佳境に入るという時期だったと記憶しています。
出社する時間までテレビを見続け、とりあえず、朝その現場に行きました。
100×50の全面タイル張りの外装に、ひび割れや剥落がなく、
多少の被害はあるだろうな、と覚悟していた私は、とりあえずほっと一安心しました。
と同時に、自分自身の経験としては初めての大きな揺れだったのですが
震災の映像でテレビや書棚が飛ぶような映像を既に見ていた私は、
建物が壊れるほどの揺れとはどのようなものなのだろう、想像がつかないと思いました。
その後、滋賀県建築士会からの要請により、2,3日後に神戸に入ることになりました。
仕事は、避難場所となっている公共建物の被害状況の確認です。
当時は緊急耐震診断といっても、講習会などがあったわけではなく
1時間くらいの説明の後、後は個人の専門的知識による判断で作業が進められて行きました。
私のチームは、避難所になっている自治会館や保育所を廻りました。
その道すがら、阪神高速の横倒しになっているそばを通りました。
ロサンゼルス大地震の時、高速道路がズタズタになる映像を見て、
アメリカは地震に配慮していない、日本ではあんなことは起きない、
といわれていた当時の専門家の常識が見頃に覆された状態を目の前で見ることが出来ました。
神戸の岸壁の辺りはそこここの地面に1mくらいの段差が出来ていて、
埋立地は弱いなーと改めて実感しました。
角地にある木造の店舗だけが見事に崩壊している一角を見て、
偏心率の大きい建物は危険だといわれていた教科書通りの現況も目の前で確認しました。
仕事であった、保育所や自治会館の建物はさほどに被害はありませんでした。
鉄筋コンクリート造の建物でも
スパンが小さく、小さい部屋が多い建物は、当時の構造計算に乗らない「雑壁」も多く、
構造計算以上に余力があったのではないかと感じながら仕事を進めて行きました。
個人の方に「これは大丈夫か?」と道すがら問われることもあったのですが、
「建物が目に見えて傾いているようでは、構造体はもう既に崩壊していると考えられます。
余震があれば危険といわざる得ません。」
時間の制限もありましたので外観だけをパッと見て
心苦しいながらも、そのようなことをお伝えしたりもしました。
一日中埃っぽい震災の現場を歩き回り、一番印象に残ったのが、運不運ということです。
数百年又は数千年に一度しか起こらない直下型地震に実際に遭遇してしまうという不運。
またその被災地域の中でさえ運不運があります。
同じように建築されていた住宅でも、地割れや地面が極端に歪んだ場所は、
その一筋の住宅群だけが見事に壊れたり傾いたりしていて、そのお隣の筋は、
少なくとも外観上に大きな被害を受けていないような箇所がそこここで見受けられました。
1日だけでしたが、私にとってはとても貴重な体験となりました。

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