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2007年4月1日

設計見積・設計事務所うら話

今津東小体育館の件で、昔設計事務所に勤めていた時のことを、思い出しました。
もう25年以上も前のかけ出しの頃、当時勤めていた会社自体もなくなってしまったので
その当時の状況を少し話してみたいと思います。

たかしま21ブログ 06/12/02いよいよ12月議会開会 の記事の中に
「内容は、以前より指摘されていた、使用材料メーカーが1社指定されているようだ」
という文章があります。それに関連してのことなのですが。

当時、昔の木造校舎が、鉄筋コンクリート校舎に建て替わる最後の時期だったのか、
学校校舎の設計がよくありました。
それに付随して、体育館の設計もちょくちょくありました。
設計を受注すると、建設経済新聞などの、
業界紙にA社が設計を受注したということが掲載されます。すると、
体育館のカマボコ屋根などの特殊で大きな鉄骨構造物の加工メーカーが営業に来ます。
「構造設計もお手伝いしますので、是非我社の製品を」と。
基本的に、中小の設計事務所は構造設計部を内在していません。
内在していたとしても簡単な形態の構造物(中層10F位の箱型の建物程度まで)
なら計算できますが、特殊な物件は外注になると思います。
知り合いの構造事務所もあまりやったことがない。渡りに船の話なので、
数社営業に来たうちの一社に構造設計を依頼することになります。
そのような鉄骨加工メーカーは、
その会社独自のパテントを入れた技術を構造設計の中に盛り込みながら、
鉄骨部分の設計を行うことになります。
設計事務所の用紙枠に、その鉄骨メーカーが書いた図面と
そのメーカーの見積書と相見積と呼ばれる同業他社の見積が納入される。
その業界のメーカー同士は、相見積を出しあい値崩れを防いでいたのだと思います。
仕様書には、「鉄骨工事については、※※鉄工の責任施工とする」という一文が入れられて、
設計見積書にはそのメーカーの見積金額×※%の金額を記載する。
その掛け率も、メーカーに問い合わせて決定しているのは当然のこと。
このような流れだったと記憶しています。
逆にいうと、そのような設計経費の節減が出来るということを、
織り込み済みで、所長は設計価格を応札していたのだと思います。

普通の構造設計屋さんは、体育館の屋根の構造計算は出来ても、
それはあくまで構造をモデル化したものの計算であって、
特殊な建物の鉄骨の取付けや接合部の加工・組立方法などを
多く経験し熟知しているわけではありません。
構造設計の知識を持っていた当時の所長は、
逆にそのようなメーカーに依頼することのほうが方が
安心かつ妥当な設計が出来ると考えていた側面もあると思います。
例えば、
ある鉄骨の設計図で、体育館頂部の高さを鉄骨の自重から来るたわみを考慮して、
少し高く設定して加工し、建ち上がった時に設計寸法になるというような図面になっていて、
なるほど大きなスパンのものの設計になると、
イロイロな配慮が必要なのだなーと、感心したのを記憶しています。

中小の設計事務所は、上記のように、建築に関する技術を
全て内在化して設計なり、見積なりを行っているわけではありません。
鉄骨に関わらず、大型のサッシやガラス、電気・機械設備など、
多くの分野で、メーカーの協力を仰ぎながら、
アセンブルして設計図を整えて行くというのが現実です。
そのような中で、1社指定を全てなくすということは、非常に困難であるのが現実です。

そのような、特殊技術の一社指定による弊害をなくすために、技術提案型
というものもありますが、
中々適応が難しいのか、あまり普及していないのが現状のようです。

また、それ以外の理由で1社指定することがあります。それは、デザインです。
例えば、安藤忠雄の建築の扉の取手はほぼユニオンというメーカーの物ばかりです。
それは、その会社のデザインと自分の建築が一番マッチするからという理由だと思います。
そのように、その形はあのメーカーのその商品しかない、というこだわりがないと
「設計者」という職業のアイデンティティーにも関わる部分でもあります。

設計者としては、その1社指定したことの理由が、
真にその技術や形態が設計に必要であったということと、
価格的な裏付けの検討(本当に難しい)をすること。そして、
それが常に公表してもよい自信を持って業務に当たることが必要だと思います。
物を、
適正な競争原理の中で、妥当と思われる価格で発注するシステムを作り上げるというのは、
そう簡単なものではありません。

関連項目
設計見積・設計事務所うら話(本文)
公共発注に対する雑感02(MYブログ07/03/31)
公共発注に対する雑感01(MYブログ07/03/30)
入札てんやわんや(MYブログ06/06/28)
公共建築雑感(MYホームページ 建築つれづれ草より)
東京のエレベーター事故 (MYブログ06/06/06)

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