私は雪のある地方に成型スレート系の屋根材をお勧めしません
凍った雪が成型スレート系の屋根材にくっつき、
落雪する時の衝撃で、釘で止めつけた所の屋根材がせん断破壊をおこし、
雪といっしょに軒先の方の材が落ちてしまうことがよくあります。
最近の分厚いのは試してないので
(高級なのを使って失敗したくはないので)わかりませんが。
雪のある地方の屋根材(続き)
次に試したのが、当時(1980年頃)流通量が多くなりかけた鋼板の横葺き
裏面に断熱材が張ってあるのは、当時は高級品。
断熱材の張ってないのを使いました。
「雨漏りがする」との連絡で行ってみると、
野地板のコンパネの裏がべっとり結露。
雪で屋根表面が冷やされた上に、小屋裏の換気が少なかったのが原因。
それからは、必ず断熱材裏張りの鋼板にしています。
鋼板裏の結露だけでは、下にルーフィングを施しますので、
大量の結露による雨漏り状態は、発生しないのですが、
鋼板の裏面からの発錆が懸念されるのです。
雪国だと、勾配屋根のような気がしますけど、
設計監理のあるような、中・大規模な建物は、水平屋根のほうが、雪対策的には絶対いい。
◆ 高い軒先(2階建て6m以上)からの落雪の危険性
◆ 構造躯体にうまく止められない雪止め
◆ 大量に落ちた雪の処理
◆ 樋の納まり(内樋にしても、軒先に付けるにしても)
どれをとっても、大きなそして高い位置にある勾配屋根は問題が多い。
軒が出て雨水処理が外壁の外側で処理する、
落雪させない水平に近い勾配の屋根、それがベスト。
でもその形ってあまり様にならない?
雪のある地方の屋根材(私なりの結論)
片流れの長さが6m(切妻屋根でスパン10m位)までの小規模な建物なら、瓦か鋼板
それ以上なら、鋼板か、フラットルーフで防水層、
アスファルトシングルは、経年変化によって、へたったり、
砂に水分が残りやすく、メンテが悪いと苔まで生えたりするので好きになれない。
鋼板素材は、当然断熱材裏張りで、
使えればステンレス、普及品ではガルバリウム鋼板、味のあるところで三井金属のサビナシルーフ
銅板は、酸性雨の腐食の関係があるので少し心配。
葺き方は、瓦棒又は、それに似た縦葺き工法が基本。
意匠性を重視するなら、横葺きだが、横ハゼに毛細管現象がどうしも起きやすく、
それがほこりだまりになって、汚れたり、腐食の原因になったりする。
横葺きでも、その辺に配慮した断面形状の製品もあるが高価になってしまう。
また、折板を使う場合は、必ずボルトレス工法。
住宅等の建物ならやはり和瓦がいい。
下地は杉板、和瓦+杉板の通気性の良い工法で、結露の心配もない。
少々の結露なら、天然木の吸湿性にも依存できる。
そして、和瓦の良さは、その標準役物の多さ、
歴史的に育てられてきた工法は、ほとんどの納まりに見合う役物がある。
洋瓦や新型の平瓦よりよほど洗練されている。
以上が試行錯誤を繰り返した、私なりの、屋根仕上に関する結論です。
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