ホーム » 建築探訪へのいざない- 一級建築士 本田明のブログ

古建築へのいざない、和様・唐様

日本の古建築(主に寺院について)には和様と唐様という主に2種類のスタイルがあります。
和様は、日本の奈良時代に中国唐代の建築文化が輸入され、
平安期まで洗練されていったスタイル。
唐様は、鎌倉時代に、中国宋代の建築文化が輸入されたスタイル。
唐様の純粋なスタイルの建物はごく少なく、
その後は、建物の用途などによって、両方の建築手法が混合しながら
(長所を取捨選択しながら)、和様・唐様どちらかのテイストで仕上ています。

中国建築文化が輸入された当時は、中国のコピーであるはず。
千数百年前の中国の木造建築は現存しませんが、
それが、日本に法隆寺や唐招提寺として残っているのです。
そして、最も直近に中国の建築文化が輸入された形が、龍谷大学から程遠くない、
黄檗宗万福寺のようなスタイルです。山門は絵本の浦島太郎の竜宮城に似ています。とすると、
中国は1000年かかって、屋根がだんだん反って、現在のような形になったんだ、と想像されます。

文化の中心は、中心であるがゆえに、どんどん更新して行きます。
しかし、その文化の辺境では、過去に交流した当時の中心の文化を長く留めています。
それは、ブラジルの日系二世・三世の方などが、明治大正や昭和初期の日本の文化
(言葉や歌やしつけなど)を色濃く留めていることに気づくことに似ています。

奈良の建築をご覧になるということは、
もしかすると、1300年の時間と数千キロの距離を飛んで、
唐代・長安の都を見ていることになるのかもしれません。

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