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2009年9月13日

敵は身内にあるのでは?木造住宅フォーラムにて

今日(09/09/12)は、立命館大学びわこくさつキャンパスで行われた
これからの木造住宅を考える連絡会第3回フォーラム「伝統構法はこれからどこへ向かうのか」
に行きました。そこで、ガンバっておられた
知合いの岩波様(今日のフォーラムのコーディネーター)へ二言三言。

私が感じたことは、まだ、こんなことを臆面もなく発表する人がいるのか、ということです。
フォーラムに、参加した多くの方が思っておられると思うのですが、
木下?とかいう大工さんの、会場からの根拠のない発言に、私は情けなく思いました。
話の経緯の中で、杉の6寸角よりも赤松の3.3角の方が強いなど、
その他、あまりにも技術的根拠のうすい発言の多くにあきれてしまいました。
そのような方こそが、今までの木造の技術の発展を阻害してきた、と私は思います。
氏の発言は、「伝統木造経」という宗教のお経を諳んじているようなもので、
その信奉者以外には、理解に苦しむものです。
木下という大工さんがいい加減な建物を作っている、というのではありません。
彼の人は、それなりに、その人生・経験を通じて、立派な建物を作っておられるのでしょう。

しかし、そのことと、今ここで問題にしようとしている
伝統木造のレギュラーな規準を作ることとは、また、別の問題意識から発するものです。
本日のフォーラムが、どのように組織されているかは知りませんが、
あのような発言をされる方(まじめに技術論を戦わせられない方々)
は極力排除した中で、物事を進めなければならないのではないでしょうか。
あのような発言を長々と切らずに言わせて、明確にその誤謬を指摘しない。
そのようなフォーラムの雰囲気が、まじめに物事を考えたおられる多くの聴衆や、
会議にパネラーとして招かれていた、
国の行政官や検討委員会の座長さんのやる気をそぐ事になりはしないかと、
とても危惧しています。

私は、日本の伝統木造建築というものが、
基本的に、耐震性を考えて作られていたとは思っていません。
過去の木構造は、鉛直荷重を支えるために考えられていたものだと思っています。
木材というヤング係数は小さいが、耐力の大きな材料を使った、
瓦屋根や雪のなどの重い鉛直荷重を支えるための構造、
それらが長い経験の間で完成されていったものが、
たまたま地震力にもある程度対応できる構造になってしまった、と思っています。
一例を挙げれば、
差鴨居などは、水平力を負担するために考えられた、部材ではありません。
部材の名前からもわかるように、建具の上のスライドレール(鴨居)の一種です。
大きな鉛直荷重がかかると、変形して建具が動かなくなってしまう、
2間のとばしのスパンでそのような障害が起こる2~3mmの変形を食い止めるため、
そのために、差鴨居の構造が発明された。
そうだから、その両側の柱は、
一般的には地震時に破壊されるしかない断面寸法しかない。
剛比から考えれば、2間スパンの120×300の差鴨居に対して、
内法高さ(1間)しかない柱を同等の耐力にするには、剛性が倍、
とすると断面欠損0としても280角位必要、
仮に断面欠損が20%だとすると、最低でも300角位は必要、
というのは簡単な構造力学でも類推出来ます。
多くの伝統的木造の構造がそうなっていないのは、
やはり鉛直荷重を重点に物事を考えた、という簡単な一例だと思います。

又、2006年から法律が変わって建てにくくなったのを何とかならないか、
という議論にも首肯できません。
例えば、小さな和菓子屋さんでも、
その内容物や賞味期限について、事細かに表示しなければ売ることが出来ません。
現在の社会が、そのようになってきたのです。
法律の変わったのを逆に、技術的な研鑽が出来る、
という方向に考えを変えなければ、「伝統」工法に未来はないと思います。
(意見を出された方は、人一倍努力されているとお見受けします、
少し苦しい業界内の意見を代弁したいという感じでしたが)
ただ、和菓子は一度決めて(商品開発して)しまえば、後は表示する手間だけのこと、
しかし、全てが一品生産である建築は、
その技術的検討を建物ごとに毎回しなければならなくなる、
その部分での差異をどうするのか、という問題は残ります。

問題意識の高いこのようなフォーラムでこの意見、
他の大多数の大工さんの事を思うと
何だか、敵は身内にあるのでは?という感じがしました。
少し大風呂敷になったかもしれませんが、
今日のフォーラムの感想をとりとめもなく書いて見ました。

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