ホーム » 建築探訪へのいざない- a 趣味は建築- 一級建築士 本田明のブログ

倉のディティール(納まりなど)

近頃、旧高島町の工事現場へいく道すがら、
武曽横山という旧い民家や倉が残っている集落を通ります。
きちんと作られた倉がきれいに残っていたので、写真に撮ってみました。
080114kura01.JPG

◎ 倉の観賞の基礎知識などを
この倉のように、屋根と白壁の隙間が暗く見えるような倉は、
倉の屋根の部分にも壁と同じように土壁を塗り、
その上にもう一度、母屋や垂木の小屋組みを載せて瓦を葺く、
置屋根形式の倉になります。
もう一つの形は、軒天塗篭め形式です。
それは普通の家屋と同じような小屋の組み方で作ってしまってから、
軒裏・垂木小口まで、すっぽりとしっくいで塗り固める工法です。
お城の形をイメージしていただければいいと思います。
亡父などは、この写真のような置屋根形式の倉の方が本式だといっていました。
 
◎ さて、その妻面の上のところ、
080114kura02.JPG
焼杉板と漆喰の壁の境に笠木があります。
その山形に交差する所を、
留め(トメ)ではなくもう一つ棟木になるような部材を入れて納めています。
材の小口は一番腐りやすい所、それを保護するための納まりです。
左官のその形に倣ってその部分を円形の散りをつけて納めています。
外壁の耐久性という機能を丁寧に考えた、そしてそれを素直に表しながらも、
きれいに納める、手本のような納まりです。
良く見ると、杉板の目板もちょうどその位置に打たれていて
板の割付も丁寧に考えられています。
 
◎ 次は、同じく角の納まり
080114kura03.JPG
笠木は、当然水勾配を付けるので、傾斜しています。
妻面(ツマメン)の傾斜と平面(ヒラメン)の傾斜が交差する出隅は、
その勾配の傾斜の関係で上手く平面的に留になりなせん。
その納まらないところをここでは、
小さな三角形の山型の板と小さな棟木を使って破綻なく納めています。
笠木を受ける釘が平べったい和釘であることに時代を感じます。
全体的には、何の装飾も施されていない普通の倉ですが、何だか風格があったので
写真に収めてみると、やはりとても丁寧な仕事の集積であることがわかりました。 
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