吉平さん工事覚書03(地味な寸法の話)
吉平さんは鉄骨の増築工事、計画は、既存建物の高さの測定から始まりました。
1階から2階の階高は、既存の階段部分をうまく測定して、
2階からの軒桁までの高さは既存の軒桁に近い部分の天井点検口から
天井裏の鉄骨の様子を確認し、測定した上で、設計図を起こしました。
解体工事後、再度寸法を測定しなおしましたが、
工程の関係上鉄骨の加工は原設計のまま進みつつあり、その測定も
設計時の調査がほぼ正確であったことを確認となり、修正をせずに工場加工は進みました。
以前の建物には床の段差がそこここにあったので、
今度はできる限りバリアフリー(床の段差がO)になるよう心がけました。
2階と1階の床高は、下地で少しは調整できるので、そこそこ上手く既存に合わす事ができました。
ただ、出入口の床高さが同じでなければおかしい二間続きの座敷の既存部分の敷居の高さが
微妙に狂っていたので、どの辺りに合わすかに施工時には少し悩みました。
しかし何といっても心配だったのが、屋根の取り合い。
瓦の屋根は段差なく既存の軒先に合わす計画としていました。
鉄骨が上がり、その上に木造の母屋、垂木、を載せ、野地板が既存の野地板に
ぽんとあたり、誤差ほぼ0~2mm程度で仕上がった時は本当にホッとしました。
合って、当り前のことなのですが、正確に直接寸法を当たる場所がなく、
又その測定した場所自体もどれくらいの誤差があるかわかりません。
ピチッと工事でいく所を確認するまでは、中々安心できませんでした。
旅館としては比較的小さい建物ですが、バリアフリーには留意しました。
1,2F共、既存の浴室・脱衣所を除き、段差0のバリアフリーに、
道路面から玄関土間までのスロープ、玄関上框の高さの分もスロープを取り
既存の女子便所の床高を廊下のレベルまで上げ、障害者用のトイレに改装し、
女子便所をもう一つ新たに設けました。
関連項目
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